4/8に Debian GNU/Linux 4.0 "Etch" がリリースされた、ので早速 upgradeしてみた。Sargeはたしか 2005年6月頃のリリース だったから Version up に約2年かかった事になる。Debian の安定版 のメジャーアップグレード期間はLinuxとしてはとても長い、のであるが、逆にマシンや使用目的が枯れていて特に最新を追い求める必要がない場合は居心地がよい、という事にもなる。新バージョンは待たされる、事になるのだが、その間公式パッケージについてはセキュリティーupdateはきちんと行われるので安心でもある。 リリースが遅い、と言っても、 NT3.5 => 4.0 とか 4.0 => W2K, XP => Vista なんかよりはよほど短い期間なのだから文句を言う程でもなかろう、と思う。文句のある人はstableではなく testingなり unstableなりの新しいものを使えばよいのだし。
さて upgradeだが、 Debianは aptと呼ばれる優秀なパッケージ管理システムがあり、メジャーアップグレードを行う場合でも再インストールは無用でパッケージ間の依存性が保たれ、かつマシンを止める必要がなく(あるとすればカーネルのバージョンアップ後のリブートだけ) .... という事が言われている。
言われているのだが、実は 2年前の Woody => Sarge の時に、事もあろうに会社の仕事用PCでその upgrade に失敗してしまってクリーンインストールせざるを得ない事になった。リリースノート通り慎重に作業したつもりだが、 backport を無闇に入れていた為か、依存性がこんがらがって 半端な状態になって、焦ってあれこれ removeなど しているうちに なにか大事なものを無理に removeしてしまったのか、aptそのものまでがうまく動かなくなってしまったのだ。それに懲りて自宅マシンはHDD入れ換えも兼ねてクリーンインストール。 さらにWoody => Sarge は色々変化が多くてあれこれ調整や工夫が必要だったり...と、結構大変だった、と言う経験がある。 なので今回はしばらく様子をみてようか、とも思ったがしかし、どうせいずれは upgradeしなければならないんだし、と今回も仕事用PCからえいやっ!と upgrade してみた。
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Sargeからのupgradeは、ちゃんとリリースノートの説明通り行わないと酷い事になるらしい、ので慎重に... やったつもりだったが、やはり依存性がこんがらがって.... 危ない感じがした... backportなど非公式版はそれ程入れてなかったつもりなんだけれど...
だが今回はあれこれ抜き差ししてるうちになんとか upgradeが完了する事が出来た。 XFree86 が xorgというのに変更になる、のだけれどこれが、何かが引っかかって入らなくて焦った。 なんで Xが立ち上がらないのかな、と思ったら入ってないんだものなぁ...
あと リリースノートの通りaptitude を使ってたんだけど、ひっかかるパッケージを抜いたり入れ直したり、と言う時に apt-get を使うと... そこで入れたパッケージが次に aptitude実行すると無用だと判断されてごっそり抜かれちゃうとか...要するに aptitudeと apt-getは混用するのは良くない、要注意である、と言う事を知らずに随分はまった。 どうも apt-getの手癖が抜けない、ので、結局 upgrade後も apt-getを使ってしまうのだが、そういう場合は 逆にaptitudeは使わない方がよい(使っても良いけど、色々勝手にアンインストールされてしまったりする)。 手癖が付いていない人なら、ずーっと aptitudeだけ使えばよい、という事なのかな。
何れにしても、再インストール無用とは言え随分時間がかかってしまった。大量のパッケージをダウンロードして展開してシステムを入れ換えるという物理的な時間に加えて依存性トラブル解決の為の試行錯誤で... 4,5時間はかかってしまった... いっそ再インストールの方が早いのではないかな...と思ってしまう程...だけれども、再インストールの場合はあれこれ築いて来たアプリケーション毎の細かい設定など引き継げなかったりして、その後の調整にかなりの時間をさかれる事になるのは Woody => Sarge事に経験済みなので、 総合的に見て、マシンを使い込んでいればいる程 upgrade は結局楽なのだな、という事は言えると思う。
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で入れ替わってしまえば、なんの事はない、見た目はSargeと何もかわらない...のは KDEもGnomeもつかわず Enlightenment を元の通り使ってるからである。 Etchは localeは日本語の場合 ja_JP.UTF-8 が標準? になるらしいが、 それも変えずに C のまま、日本語読み書きの必要性に応じて アプリ毎に適宜 LANG=ja_JP.eucJP などで起動して 。見た目、メニューをふくめて極力英語版のまま日本語読み書きOK と言う 変則的な使い方...を継承する事にした。Sargeの設定時には苦労したけど、それをそのまま引き継げた。
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Firefoxはやーっと 2.0が入った、が Mozilla.org と Debianのポリシーが合わないので Firefoxを名乗るべからずというクレームが入ったそうで iceweasel と改名されている。mozillaにいたっては iceape という名前が付けられている。
これまで公式版のなかった mplayerが公式パッケージに入って来た。 これは嬉しい...が 非公式版同様 YouTubeの flv 、過去にエンコした 一部のmpg 再生 などで 思いっきり音がずれるという... ソースが悪いのかコンパイルが悪いのかエンコードが悪いのかはわからないが同じ症状は引き継いでいる。それ以外はよさそう...なのだが、結局 音ズレに関してこれまで一番良い結果が得られたの MPlayer-1.0pre7 を コンパイルして 公式パッケージとは別に /usr/local/bin/mplayer-custom などと別コマンドとして使える様にしておいた。( Sargeでコンパイルした mplayerは 動かなかった..)
totem, gxine, ogle, vlc など メディアプレーヤーは一通り揃っているので、 mplayerで具合の悪いファイルは他のソフトで再生するのも手、である。エンコの具合にもよるのだろうけど、 mplayerで乱れる、ずれる、止まるファイルが totemその他ではちゃんと動く、とか、その逆とか、いろんな場合があるから選択肢は多い方がよいのだ。 ( flvだけは今のところ MPlayer-1.0pre7 の自家コンパイル版が一番調子がよいけれど ... totemだとflvは音が出ないとか vlcだとflvのファイルによっては途中で止まるとか...)
そうそう、今年始めに買った SoundBlaster Audigy Value というサウンドカード、 Sargeの純正カーネル + ALSA ではドライバーなしで認識せず、だったけれど、 Etchに変わると alsaconfで一発認識でちゃんと音も出た。 gamix で見るとこんな感じで、ちゃんとコントロール出来る。
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非公式パッケージだが Operaで配ってる Opera9.10 は起動せず、9.20のベータもだめ... 9.20の最新ベータを試したらバグが取れてた...と思ったら公式9.20 リリースで、これも問題なし。
Sargeの時拾った xephemの非公式 debパッケージはインストールできず... 最近星みないからいいけど、また探すか...
なんて非公式を入れると結局次回の upgradeで困る...けど、このマシンもうすぐ5年を越すから次回はないかもなぁ...
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なんか何の参考にも、誰の為にもならない駄文になってしまったが、終ってみれば時間はかかったけど、細かい調整等は特記する程の事はなかった、と言う事ですな...
ま、 KDEもGNOMEも入れてはいるけど使っていない、質素な環境ではそんなものだろう。