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Monday, September 16, 2019

今日の KORG KROME LCD不具合DIY修理のナゾ

memo: KORG KROME88 に、 一昨年あたりからLCDがブラックアウトするという症状が出ていたのだが、ネットで修理方法が公開されていたので、それに倣って修理してみた、というお話・・ お約束ですが、真似されるなら、自己責任でお願いしますね

→治ったとおもってブログ記事にしたのだが、また症状が戻ってしまった・・・
➡10kをパラって5kではダメの模様→やはり1kが正しい値の様だ
→再挑戦で失敗しつつ無理くり1kで補修したら直った・・・
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2017年の夏季だったか、KORG KROMEのLCDが電源投入後しばらくすると暗転してしまい、そうなると電源を入れ直しても治らない、という症状が出始めた・・バックライトは点灯しているが、LCDが暗転して何も映らない、という感じ。
ところがその年の冬になると自然に治った。なにか素子だか回路が温特でも持ってて気温が高い夏季に不動作でもおこるのだろうか、と思った。その後年を越して通常どうさしていたが、また夏になって再び症状が出た。

ならば、また冬期になれば治るかもと期待したのだが、残念ながら、その後冬になっても治らず、年を越して2019年はずーっと消えたままで、とうとう今日に至った・・
つまり1年以上LCD映らないまま、ブラインドで使っていたのだ。

さっさと修理に出せばとも思うのだが、88鍵盤の重たいキーボードを梱包して宅配業者へ持ってゆくのは結構大変だし、88鍵盤機種は終了料金もなかなかお高い。(修理料金¥16,200〜 オーバーホール¥27,000〜) ちょっと弾ければいいだけ、お遊びで弾いてるだけなので、音がでればいいやと開き直っていたのだが・・

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しかし、悔しい。 同様の症状がレポートされてないかとググってみると、全く同じ症状が出て、その原因を突き止め修理を実践した人のブログ事を見つけた!
Repairing Korg Krome's blank screen
この記事によると、LCD用の基板上のR28という、LCDをブランクにするコントロールピンに関係するらしい抵抗の値が設計ミスあるいは実装ミスではないか、という事らしいのだ。基板には10k が載っているのだが、本来1kぐらいの値が正しいのではないか、ということである。抵抗値が高すぎて制御電圧が正しく出ず、初期になんとか動いていた条件が経年で不良動作になってしまう、らしい。

修理方法としては、このR28を本来の 1〜2k ぐらいの抵抗に変える事らしい。
元々が10kが実装されているのだが、その上に追加でチップ抵抗を乗っけて並列にして抵抗値を下げてやる、という策である。

ということで、作業場所がなかなか確保出来ず・・記事を見つけたのは早かったのだが、ズルズルとLCDが映らないまま使っていたが、今回なんとか作業できる場所を確保してて、以下のように修理してみた・・・

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とりあえずえいやと筐体を開けてみた。ちょっと余裕がなくて、詳細を記録する写真は撮ってない・・・

筐体は底面に出ているネジを外すと、案外楽にスポリと鍵盤の載ったシャーシと、本体基板の載ったパネルとが分離できた。鍵盤からメインボードへはコネクタが一つだけ、バラシはネジが多いので面倒ではあるが、爪みたいなのが引っかかるとかいう構造でもなく、比較的楽に行えた。


修理する箇所はLCDパネルの裏の鉄板上に載ってる基板で


 写真に示したR28 に追加で抵抗を抱かせてやるわけである。

残念ながら、1kとか2kのチップ抵抗は所有していないのだが、なぜか10kは手持ちが沢山使いきれない程ある。 そこで、10kを1つ抱かせて、合計5kという事で試してみた。

本来1kぐらい、という話であるが、10kが設計ミスとしても数年間はそれで動作していたのだから、それを半分にすれば、動作するのではないか、という目論見。

このチップ抵抗の上にチップ抵抗をのせてハンダで付ける、というのが、なかなかうまく行かなかった。あまりに不器用かつ、対象が小さすぎてよく見えない、目で見ながらでも、ほぼ手先の感覚の勘でやるような感じで、なかなか付かず、たった1個抱かせるために10個ぐらい消費してしまった。

ハンダの粘りでチップが持っていかれたりするし、チップをピンセットで押さえながらコテをあてる感じでもハンダが粘ってうまく流れない うまくやるには、ハンダペーストでも使わないとダメなのだろう。

基板を外して顕微鏡下でやればよかったのだが、顕微鏡でよく見えても不器用な手先は器用にはならないわけだし、 基板を外すのに必要なフラットケーブルのコネクタ周りを外すのが、一部ちょっと怖い感じがして、その場の判断で外さずに行った。ああいう小さなコネクタ、爪先で外す時壊したらおしまいだから、怖いのだ。

という事で、工作した結果はよく見ると恐らくガタガタだと思うが、なんとか導通はして、抵抗値を測って5k出ていることは確認した。とりあえず、付いてりゃいい、元々映らなかったんだから、ダメ元ということで・・

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で、抵抗を付けた後に組み直して電源を入れてみると、ブラックアウトが解消された。
一応成功したようである・・ 
まだ長時間動作はさせてないけれど・・・しばらく様子を見ることにする・・


ということで、一応LCD暗転が解消された。再発しないことを祈る・・・

とブログに書いた後・・使ってみたら・・・ あっという間に暗転して元の木阿弥・・・
やっぱ5kじゃだめなのかも・・・


しかし、本当に設計不良だったら、リコールものだぜ、これ。
実際抵抗値変えたら治ったのだから、元ネタのブログの人の解析は正しいわけだから。

と言う事で、修理ネタはおしまい・・


09/23/2019 追補

なんだか悔しいのでリベンジしてみた。1kのチップ抵抗は持ってないので普通のリードのついた抵抗を無理くりつけようとした・・今回は顕微鏡を見ながら・・しかし顕微鏡でよく見えても、手先が不器用なのはどうしようもない・・があれこれやってるうちに基板の抵抗のランドを1つ剥がしてしまうという大失敗・・・もうダメかも・・と思ったが

最終的に、ジャンパーを飛ばして抵抗に接続、抵抗はカプトンテープで絶縁して基板上にカプトンテープで固定という、とても人に見せられない、いかにもその場限りのリワークになってしまった・・ 

表面実装基板をきちんと弄るには、それなりのコテ先、温調コテを顕微鏡下で使う、クリームハンダを用意する etc がやはり必要だと思い知る・・

で、結果として、LCDブランクは解消できたようである・・・前回は短時間の点灯を確認しただけだったので、再度使用した時にあっけなく消えてしまったが、今回は大丈夫な模様・・ やはり、1kΩというのが正しい値の様だ・・

経時変化の有無はこれからの実使用で検証ということになるが・・

10/25/2019 追補

いい加減な修理だったが、一月後も正常に動作している・・・ 

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Appendix :久々にKROMEについて記事を書くので、この際、ダメ出しなを書いておこう。

KROME 88 の弱点は鍵盤 

このKROME,すでに鍵盤がガタガタで、ベロシティーが狂ってるキーがいくつか出始めているという有様。遊びで弾くだけなので放置しているのだが、やはりKROMEの欠点はこの鍵盤なんだろうと思う。 元々購入直後に発声不良で調整、それでも治らず交換、それでも疑念は消えず最終的にシステムのバージョンが1.03というものになるまで完全なfixされてなかった感じ、要するにシステムの品質があまりよくないんじゃないか、という疑念がある。 

発声不具合の件で新品交換された個体は最初から鍵盤のガタが出ていた。公差が大きすぎるのだろう。あるいは調整不足だったのかも。再度送り直して修理だの交換は面倒臭すぎるので、当時修理依頼は出さない決断をしたのだが、まぁチャカチャカと、すごい音がするのだ。

楽器屋に寄る度にいろんなエレピの鍵盤に触ってみるのだが、こんなガチャガチャのものは、なかなかない。唯一、同じNH鍵盤を積んでいるKORGの最廉価のエレピの一部に似たようなガタはあった。

鍵盤の素材も、昔所有していたSG1D(ヤマハ製鍵盤)などに比べたら耐久性がない。長く使っていると鍵盤表面が細かいキズが出てくるのは当たり前なんだけど、このKROMEは爪があたるところなどが、削れて凹んでしまった。


左手の親指の爪が当たる所が結構深くえぐれてしまっている・・・


この黒鍵が入るところの切り欠きの所も弱い


隙間が多いので、指先が引っかかってこの角に爪が当たってしまうのかも知れないが・・不思議な所が削れる・・ 私の爪は指先巾めいっぱいに広がっていて深爪できない感じで生えているので、どうしても爪先が当たってしまうのだ。

弾き方が悪いのかもしれないが、しかし、鍵盤の樹脂の硬度が、爪の硬度に負けるのはいかがなものか、と思う。SG1DとかK1も随分弾いたつもりだが、こんなふうにえぐれはしなかったから。

鍵盤の支点長は 210mm程だった

以前、鍵盤の支点長を机上計算で推測してみた事があったが、今回修理で開けてみたので実測してみた・・・

支点がピボットではなく、プラスチックの折り曲げという、安づくりの鍵盤構造にびっくりしたが、ご覧の通り、概ね210mm程度の長さであり、ほぼ予想通りという事であった。
あんまり長くはないが、短くもない、まあ普通のピアノ型鍵盤というところだろう。

7年目の結論 結局KROMEって

現行品は KROME EX と新型になっていて、LCDだの鍵盤のガタだのは改善されているのかもしれないが、このNH鍵盤というのは、やはり安作りで、できるだけ末永くメンテフリーで使ってゆきたい、と思う層には全くお薦めできないもの、と言えるかも知れない。

当方のはすでにベロシティーが狂ってるところが出始めてるし、上記の様に表面が削れてきてる・・ 2012年冬に買った後2013年に交換納品されたものだから6年使用・・ せめて10年ぐらいは初期品質を保ってほしいものだと思う。 プロであれば商売の道具なので常時お金を掛けてでもメンテナンスをするものなのだろうが、アマチュアの個人の趣味での所有では、なかなかそうもいかない。 88鍵盤は大きくて重たいので、修理に出すだけで一苦労だし、安くない費用がかかるから。

私の所有するKROMEは、このまま弾き潰すつもりなので、既に多種の不具合も気にしないことにしたが、次になにか買う時は、少なくともこのNH鍵盤のものは買いたくないと思っている。同じ轍は踏みたくない。

カシオの安いやつのほうが、鍵盤の剛性感が優れてたりするし、KORGは大好きなメーカーだが、機種によって当たり外れはやはりあるものなのだろう。

正直にいうと、このKROMEは、ハズレだった・・ 機能とか音は文句ないのだが、安定性とか品質が外してる気がする。とても楽しめた楽器でもあったので、大変複雑な気分だ・・ 同程度の品質のものなら、もっと安いものがいいし、多少高くても品質のよいものを買うほうが後々後悔しないだろう。 幾らかけて、どれくらい使うのか、なかなか難しい見積もりだと思う。新製品が出る度に買い換える、みたいなことはもはや出来ない身分と時世、買い物は慎重にならざるを得ない・・・

ダメ出し、オシマイ