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Wednesday, December 17, 2008

今日の BOSEスピーカーのイコライザー回路のナゾ

メモ
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BOSE社のオーディオ製品は、その機構、デザイン、ブランド施策など、同業他社とは一線を画す独特のものを持っているとおもう。スピーカーシステムに関しては、小型ユニットのクラスター、複数の共振系を組み合わせたベースブースト機構など、ユニーク、シンプルかつ効果的な技術が売りとなっている。

個人的には、あのラジオやラジカセの値段はぼったくり、と言ってよいと思うが、しかしそれでも欲しいと思わせるユニークさを感じる。
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さて、以前から気になっていたのは、BOSE101などに使われているイコライザー回路、である。 電球が入っている、とか、フルレンジ一発なのに聴感補正をかけているみたいだ、という事は昔から小耳に挟んでいたのだが、実物を持っているわけでもないので、実際の回路や定数が具体的にどうなっているのか、についてはよくわからなかった。

まぁ、知らなくてもよい事なのだが、調べてみたら、あっさり、特許庁でイコライザー回路についての特許資料が出てきた。
( http://www.ipdl.inpit.go.jp/ で検索、閲覧できます)


出願番号 : 特許出願2005−53102
公開番号 : 特許公開2006−238299

これを読んで頂くと解る通り、肝は、ユニットに直列にLCR並列回路を入れて聴感補正をかける、さらに電球を入れて、音量の増減によって聴感補正の度合を変化させる、という物である。
電球は、保護回路用なのだろう、とずっと信じてきたのだが、目的としては聴感補正素子の一員であるようだ。もちろん大入力時の電流制限にも少なからず貢献する事はたしかではあるのだが...

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実際の101系の回路定数は定かではないのだが、回路形式が同じな、特許公開資料にあるLCR回路例をそのまま、LTSpiceに入れてsimしてみた。
電球の抵抗値を適当にふった時のスピーカー端子に現れる電圧のsimである。
電球の抵抗値を1〜32オームまで振っている。



実際は、R2はユニットで当然純抵抗ではないし、ユニットの特性を含めた実際の音圧特性がどうなるのか、という所が重要で、これはsimできない。

それはともかく、想像以上に補正がかかるのだな、という事がわかると思う。

入力が小さい時には電球の電流が小さく、したがって電球の抵抗値は低く、この回路では低音補正が大きくなる。入力が高くなるに従って電球の電流が大きくなり、電球の抵抗値があがり、低音補正が弱くなる...音量による聴感特性の変化の補正になる...わけだ。

電球を容量と直列に入れてやると、高域側の補正もできる...



非常にシンプルな回路だけれど、うまいやり方である。そして、これをうまく合わせ込むのは、やはりそれなりに技術が要る。 最終的な、ユニットを含めた総合特性を上手く引き出す定数設定、キャビネットを含めた実装は、素人にはなかなか難しいと思う...

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なかなか、買う気になれないけど、いつも気になっている、というのが自分としてのBOSE製品の位置付である。びっくりする程低音が出るという、レゾネーターを用いた超小型モニター、これもナゾであったが...これも、それらしい技術が特許として出ているみたいだ...

とか、ウェーブラジオにはステレオなのに左右非対称なF特をうまく組み合わせる技術が使われてるらしい、なんて噂を小耳にしたのだけど、そういう事にからんだ特許も見つかる。ボーズ で検索してみるとおもしろいゾ。

原理や機構は単純でも、実物を作って特性を出し、それを量産出来る、というのはやはり高度なエンジニアリングの賜であると思う。そのへんのガレージメーカには出来ない事だと思う。BOSEをバカにするのは、無知か素人(非エンジニア)と言う事なのだろう...

でも、もうちょっと安ければ!と思う。

けれど、廉売競争したところで消耗戦になるだけ、
他にないユニークな商品で差別化、ブランドを確立し、安売りなしの直販でしっかり儲けて、さらなる技術開発....

売り方は好みではないが、商売上手だと思うね