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Saturday, January 19, 2013

今日の 鍵盤の支点の長さを推定をしてみた

メモ: 鍵盤楽器の鍵盤の端〜支点までの長さはどれぐらいなのだろうか、目に見える部分から推測してみるテストとその所感。
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実際の鍵盤の支点は鍵盤面より下にあったりするのでこの図の通りではないのだが、鍵盤面の延長線上に支点があると仮定して図を書いてみると、目に見える部分の計測から目に見えない支点〜鍵盤端の長さを推測できる。



Kは目に見えてる鍵盤面の長さ 
H1とH2 は鍵盤を押した時に鍵盤が沈み込む量で H1は鍵盤の根元(支点に近い方)の沈み込み、 H2は鍵盤の端、一番手前のところの沈み込みとする。 
Lは仮想の支点〜鍵盤端までの距離
という事で、目に見えてる所の鍵盤の長さと、見えてる所の根元、手元の両端の沈み込み量を測れば長さLが計算できるはずである。

(あるいは鍵盤端と、そこから任意の距離Kとその点の沈み込みをH1として測っても良い。)

誤差や、実物は図とは違う、という事はあるが、大雑把な推定はこれで出来るはずだ。

沈み込み量の計測はなかなか微妙で、測定誤差、測定ミスなどで当然値が振れる。
普通の物差しなどの1mm単位だと誤差が大きいので、ノギスのデプス機能を使うなど工夫が必要だ。
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例えば K=150mm 、H2=10mm つまり 目に見えている部分の鍵盤の長さ 15cm の機種で鍵盤端(手前)を1cm押した時に鍵盤根元(奥)がどれぐらい沈むものか、支点長 Lを変数に計算してみると


こんな感じになる。

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実物を測ってみると、KORG KROME 88 は H2 10mm , H1 3mm , K 150mm 、 KORG SG1Dは H2 12mm, H1 3.4mm ぐらいだったかな、計測誤差があるので正確ではないが、計算値はそれぞれ214mm, 209mm程度と、両者近い値が出た。

微妙な測定なので誤差があり、計算値もそれにより当然ずれるのだが、設計値はL=210mm前後ではないか、という事になると思う。もちろん実際どうなのかは設計図面を見るか、分解して実測するしかないわけだが。

SG1Dは中を開けた写真があるので参考までに置いておく。支点は鍵盤面より下で、シャーシに近い所にある。開けた時には長さなど気になどしてなかったので実測はしていないのだが、この写真を見ても、上記の図式で得られたL=210mm程度という推定はさほど間違っていないと思う。
2019/09/16 追記 KROME修理時に実測してみたら、ほぼ 210mmだった


SG1Dの鍵盤 (KX88と同じものでYAMAHA製らしい)

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という事で、実際測ってみて KROME 88の鍵盤ストロークが微妙に浅い様に感じたのは気のせいではなかった、とか、鍵盤根元の方でもSG1Dと変わらずそれなりにきちんと弾けるので支点長さは同等である、という感覚的事象の裏は取れたと思う。 

電子ピアノだと、〇〇は短鍵盤でダメとか質問箱だのレヴューサイトなどに書かれているが、実際に何センチなのか具体例を示してる意見はなかなか出ていない。電子ピアノではカシオが特に叩かれているが、店頭で触ってみてもタッチの好き嫌いは別にして、そんな酷い感じはしないのだが、執拗に貶されている感がある。 薦められないというなら、ピアノ教師に言わせれば電子ピアノはお勧めしないときっぱり言うであろう。値段と販売網の広さから既存の楽器メーカーのシェアが侵食されてるのでそれを面白くないと思う筋の人間がいるのだろうかと勘ぐってしまうぐらいである。
KORG KROME 88に関しても鍵盤が短いからダメとか見かけたのだが、根拠なく言ってるだけの様だ。 何れにしても測ってみたらこんなに短い、けしからん、という話なのであれば納得もできるのだが、そうではないのである。一種の誹謗中傷の類であろうと思う。

元々並の電子ピアノ鍵盤は本物のグランドピアノと比べるとやはり短いのは事実でもあろうとは思う。  そしてメーカーや機種によって設計値が色々ある事だろう。

しかし、そもそも楽器としては発声原理もダイナミックレンジも何もかも全く別物であるわけだ。純粋に本物のクラシックのピアニストを目指すなら本物で練習するのが筋で、電子ピアノやキーボードは夜間の譜読みとか運指確認など補助的な道具にしかならないのかもしれない。あたりまえの事だが、本物を望むなら本物を使う以外ない。電子ピアノは所詮イミテーションなのである。

けれども、電子楽器の鍵盤は本物ではないのは当たり前であり、しかしだから価値がない、という事にもならない。本物のピアノを自由に楽しめる環境を持っている人間がどれほど居るものか。電子ピアノのお陰で、それはあくまでイミテーションではあるものの、誰もがピアノを弾く楽しみの片鱗ぐらいには触れる事が出来る様になったわけである。

グランドピアノの上にキーボードを載せて両者同等に弾きまくってるプロフェッショナルは幾らでも居るわけで、彼らが、例えばシンセの鍵盤は支点が短いから弾けないなんて文句を言ってる様にも見えない。ふにゃふにゃの鍵盤だってミニキーボードだってそれが必要と思えば何だって使うし弾きこなす。 KX-5の鍵盤はとても短いのだがチックコリアは見事に弾きこなすではないか。

所詮は道具であり使いこなしなのであろうと思う...
何のための、誰のための楽器なのか、と言う事を考えれば、短いからダメとか、そいういう事を気にしてもしても仕方がない事に気づくだろう..

今日の さらば KORG New SG1D : 中の写真公開

メモ: 本日、KORG New SG1Dを処分したのだが、以前中を開けて写真を取ったものがあるので、さよならの記念にupすることにする。
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両サイドのプラスチックガードを外すとぱか、と車のボンネット風に上に開く。プロ機なので現場でサーヴィスしやすい構造にしているのだろうと思う。

重たい理由は、ヤマハ製のウェイテッド鍵盤もさることながら、シャーシもパネルも全部スチール、というところにもあるのだろう。電源トランスもでかい。つまり鉄の塊なのである.. 





上側コントロールパネル面


左にはMIDIコントロール用のベンド、モジュレーションホイールのポットが2つ



これは音源の心臓部なのか、12音ポリなので12個回路が並んでいる




茶色の基板は不明だが、アフタータッチ用の基板?


リボンケーブルはROMカードリーダーに繋がっている


マイコンらしいチップが。その他のIC/LSIは全部DIPタイプというのが時代を感じさせるし、なんかほっとする.. 


これは音源のROMだと思うのだが..


3段重ねになっている.. 


電源が何系統にも分けられている。当然シリーズレギュレーターだと思う。


薄型だがけっこうでかい電源トランス.. 今ならぜったいスイッチング電源採用になるはずだ。


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と言う事で、実に立派な造りで、ずっと手元に置いておきたかったのだが、諸般の事情もありサヨナラする事となった.. 

おしまい