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Friday, April 26, 2019

今日のTASCAM MF-P01

memo
TASCAMのMF-P01のジャンク品を入手したら音が出ず、特定箇所の電解コンデンサの劣化で、それを交換したら治ったというお話・・ 
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またまた、悪癖、ジャンク品を買ってしまったのだが、今回は TASCAMの MF-P01というシンプルなカセットMTR。 倍速ではなく、ノイズリダクションもなく、1度に1トラックしか録音できず、ピッチコントロールも出来ないという、おそらく発売当初最も簡単かつ安価なMTRだった、というモデル。

MTRは稼働するものが3台もあるのでこんな安物、とも思ったのだが、買った理由が価格とACアダプター付属という事であった。本体は動かなくてもACアダプターがあれば、以前修理した414という機種にそれが使える・・ 

何らかの部品取りの材料にもなるし、それが300円だから、えいやっと。バカだね

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こびりついた汚れを拭き取ると、結構綺麗になった。
とりあえず電源は入り、テープも回り、たった1つの楽器入力に楽器を繋いだら音も出た。


ただ、テープ再生がうんともすんとも、無音であった。
例によって、バラしてみたのだが、目視では問題なさそう。


電子回路の故障が目視でわかるはずもないが、焼けている部品とか、お漏らししてる電解コンとか、はんだのクラックなどはなかった。
この商品は中国製で、電解コンはすべて非日本製で怪しいといえば怪しいが・・・

当初記事にするつもりはなくて、写真は撮っていないが、ミキサー部の基板も特に異常は見られず・・・ しかし感覚として、メインボード側の問題ではないかとあたりは付いたのだが・・・

録音バイアス回路は動いてる、ヘッドからの信号が増幅できてなさそうで、音声アンプまわりの不具合なのだろうとは思ったのだが、回路を追うのも面倒くさいというか、やりたくない・・・

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と言うことで、一度は諦めて、ACアダプタで元はとれたということもあり、部品取り用にと思ったのだが、ちょっと悔しい気もするので、グーグル先生に訊いてみると・・・


まったく同じ機種での、まったく同じ症状のそのものずばりの記事が出ており、その原因は特定箇所の電解コンデンサの耐圧不良だかリークで、それを交換すると直るという解決方法まで書かれていた。9V電源の回路で耐圧10Vの部品を使うのはけしからん、と言う感じで・・・

と言うことで、ちょっと確かめてみた・・・
4トラックなので、同じ回路が4つ並んでいるのだが


この中の C105, C205, C305, C405に使われている 220uF 10V というスペックの電解コンデンサが不良になっている、というのが先のサイトの報告なので・・・


これらを取り外して、以前買った万能部品チェッカーにかけてみると・・・


容量は抜けて居らず、ESRも高いとは言えないぐらいありそうなのだが、Vlossという項目が高めになっている。

(Vlossというのが何を意味しているのか、そもそもこの測定器は大変便利なのだがどうやって素子を測定しているのか測定原理が分からないが・・・)

これがリークが多いという報告とつながる、と言うことで、交換してみることにした・・・

手持ちの部品から使えそうな値のものをさがすと、 680uF 10V というものがあった。
容量値が3倍、耐圧はギリギリではあるが、試しに付けてみることにした。まあアナログ小信号回路まわりだし、動作不良をおこしたりするとは思えない、という勘で進める。

2本直列にすれば容量値としては元のオーダーが近くなるし、耐圧もかせげるのだが、実装スペースも厳しいし、そもそもMTRを長時間毎日の様に使うわけはないので、音が出ればOKの結果オーライということで・・・ 
(きちんと真面目に修理したい人は 220uF 16Vあたりを買ってください)


元も部品より太めなのでちょっときつかったが収まった・・・



で、結果的に、これであっけなく直ってしまった・・・  と言うことで修理完了となった次第。

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故障原因だったのコンデンサーを観察して見たのだが・・・


よく言われる、電解液のリークによる容量抜け、というようなひどいリークはしてなさそうなのだが・・・







外観上別段ひどい状況には見受けられず、つまり表立った液漏れによるリークではなく、内部的に劣化が進んでいるのだろう。

この機種、おそらくMTRとして最低価格品、中国組み立てでコンデンサも海外品、また20年近い経年を考えるとしかたがないのだが、たった一つの部品の品質要因で使えないものになってしまう、部品選定の重要さを考える案件じゃないかと思う・・・

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と言うことで、またまた、大して使わないのに、既に何台も持ってるのに、またジャンク機材を増やしてしまったというおバカな話なのだが、こんな動かない安物でも、ちょこっと手を入れれば動くようになる、というちょっとしたリクレーションと言えなくもない・・・ 

カセットMTRは、人気がないのか、たまにゴミの様に、数百円などの値札がつけられて転がっている事がある。要するにラジカセだのHiFiデッキだのは転売益が見込めるがMTRは買う人が少なくて金にならんという事の現れなのかもしれない・・・ 今後二度と作られることはないであろう、絶滅した機械なので、ゴミになると分かっていても、数百円ともなると、つい保護してしまいたくなる・・・







おしまい