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Tuesday, March 05, 2013

今日の KORG KROME 88 ダメ出し編

入手直後にレポートした KORG KROME 88 のレポート続編...
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昨年末納品されて以来毎日楽しく遊んでいる KORG KROME 88 であるが、2ヶ月以上経ち楽しく無かった事が起きたり色々粗も見えてきたので、ここらで一度ダメ出しをしておく事にする。

毎日面白く音をだして楽しんでいる。これは本当で嘘偽りのない気持ちだ。しかし、ただいいぞー!最高!! って煽るだけだと無責任であるとも思う。

プロのレビューは製品の良さを引き出すものだと思うがレビュー後の検証など誰もしない。それは商売にならないからである。しかし私は商売でやっているわけではないし、自分の身銭を切って買って使っているわけだから自由に書ける。

昔も今もKORGファンである事には変わりない。私のYouTubeのチャンネルは殆どKORG製品のデモになってしまっている。なのでこれは苦言とかクレームでは決してなく、KORGに対する前向きなエールでもある、と捉えていただきたいと思う。

1.音が出ない現象

KROME88を弾いていて、まれに 鍵盤を弾いたのに音が出ない.. すっぽ抜ける感じがあった。自分でも気のせいなのか、弾けてないのか (所詮素人未満だから)、それとも故障か動作不良で本当に音が出なかったのか。いつも同じ特定のキーで音が出ないのなら故障とわかるが、本当に忘れた頃にすっぽ抜けて、あれ? という感じで、狐につままれた感じがあった。

気になるので、ビデオ(Q3HD)で手元と音を記録して検証してみると、どうもやはり音が出ていない様に見えるので、KORGのサイトからサポートへ問い合わせ、下手糞な演奏で赤面ものにビデオを提示して診てもらった所、調整すれば直る可能性があるので修理サービスセンターに送付して欲しい、という事となりサービスに出した。

送付後2週間後に戻ってきたが、鍵盤を測定する限り規格内と言う事であった。ただ、環境や奏法により二度打ちが起きて音が途切れていると思われるので音が出る位置を浅くする調整を行ったと言うだった。

しかし.. 残念ながらこれでは改善されなかったのである。

そこで2度目の問い合わせ。同様に調整後にも症状が出いているというビデオを診てもらったのだが、やはり二度打ちの可能性がある、という事と共に、もしベロシティーに無関係(note on/offのみ)のオルガン音で症状があれば二度打ちではなく別の原因になる、という回答を得たので、オルガン音で確かめてみた所、やはり症状が出る。そして症状の出ているビデオと共に3度目の問い合わせをしてみると、今度はKROMEを交換させてくださいと言う事になった。ちょっと唐突にも感じたのだが、症状確認はビデオを回しながら繰り返し繰り返し症状が出るまで弾き続けるという実につまらない作業で正直辟易としていたので言われるまま交換してもらった。サーヴィス送付時は自分で梱包してヤマト便に載せたのでけっこう大変だったのだが、交換時はピアノ運送専門業者が納品と回収にやってきた。

と言う事で新品交換となり、丁度1週間が過ぎた所である。今の所前の様に音が抜けるという感じはしない.. 最初のユニットはたまたまの不具合にあたった事を祈りたい..

(なお最初の問い合わせから交換に至るまで、とても真摯に対応して頂けたと思う。サイトのフォームからの問い合わせであったけれども、素早く確実の処理されたし、検証用のビデオもちゃんと見て頂けた。こういうサポートが必要になる様な不具合は無いに越したことはないが.. 個人的にも楽器類でサポートや修理を受けたのは初めてであった.. )


2013/9/16追記
ファームウェア1.0.3へのupdateで改善出来る模様

どうも、音が出ない事がある、というのはソフト面での不具合だった感じである。本記事を書いた時点でMIDI絡みの不具合は気づいていなかったが、MIDI絡みのバグもFIXされている様である。
2.ハンマーアクション式は振動に弱い?二度打ちを起こしやすい??

音のでない件で、サポートが "二度打ち" を強調していた事がすこし気になる。軽い筐体、軽い鍵盤、しかしハンマーアクション、これが筐体そのものの振動しやすさや、架台の揺れ、奏法などとの連鎖で、そういうチャタリング的なキーのバウンド、接点ON/OFFの暴れが起きやすいのではないのか、そういう気もする。 こういう二度打ちによる発音不良という事象が、この機種に限らず過去事例にけっこう有るのではないか、と想像する。

弾いている感覚として、一度弾いた瞬間再度音が切れる程の弱音で二度目をトリガーしてしまう、なんてのはよほどの超人でも出来ないと思う。しかし鍵盤側、とくにハンマーアクションの擬似ハンマーなどが筐体の剛性不足や振動で暴れれば、そういう事が起こる様な気がするからである。本来家庭用電子ピアノの様に木製の重たいリジットな筐体及び架台で使われるべき物を、軽いプラ筐体のシンセにした事で問題が出やすい気もする..

ググってみると上位機種のより上等な鍵盤を持つKRONOSの鍵盤で二度打ちが出て困ってる.. という人の記事を見かけたが、バネの代わりに重力を利用するハンマーアクション式の弱点なのかもしれない

交換の日取り調整で電話を貰った時に、筐体の揺れと2度打ちについてちょっと聞いてみようとしたのだが、オルガン音で切れるのは二度打ちが原因ではないという事でそれ以上深く聞けなかった。 私の個体固有の現象.. という判断で交換されたわけなので、今後症状がでない限りこれ以上追求はしないが、一度分解してどういう構造なのか中身を見てみたい気もする..

3.NH鍵盤の品質 その1 グリスのはみ出し

まずは写真を見ていただきたい。







鍵盤の隙間にグリスの付着が目立つ。 黒鍵に白いグリスが着いているので嫌でも目立つ。白鍵の間にも付いてる所があるのだが、とにかく黒鍵が目立つ。

なんだかやっつけ仕事でぺっぺと塗ってるだけ、という投げやりな感じは否めない。安いキーボードなんだからこんなものさ.. と言えない値段なので、これを許すか許さないか。

これは最初に納品された個体も、上述の顛末で交換でやってきた個体もそうなのである。
ちなみに上の写真は交換後の個体で納品直後の様子である。

つまり"たまたま"はみ出た個体に当たったわけではなく、これがデフォルトの状態、という事である。たまたま新品2台を観察するハメになったのだが、サンプル数2で 2/2 = 100%の確率。これをどう見るか、である。

短期的にはグリスのはみ出しなど全然問題にならない事ではある。事実私も放置している。しかし、中長期的に考えると埃やチリが付着したらどうなるのか、基板などに垂れてはいないか、などの懸念がある。
→3/9追記: 放置と書いたが、いつのまにか指で触ってしまって鍵盤がつるつる滑る感じがしてきた。キムワイプで拭きとってみるが、鍵盤上で伸びてしまうと拭いてもツルツルがなかなか取れない気がする。やっぱりこれはダメでしょKORGさん。
→→3/20追記: 楽器店店頭の KROME88を観察してみたが同様のグリスが確認できた。またSP280というエレピの新製品にもNH鍵盤が採用されているが、SP280も同様であった。 
これはユーザーが許す許さないの問題というよりはKORGの品質管理の意識の問題であろうと思う。KORGはファブレスなのだろうと思うが、中国の組立工場にこういうモノを流さない様に監督指導改善させられるかどうか、そういう意識があるか、それともこれがコントロールの限界、これが普通で仕方がない、音が出れば関係ない、そういう姿勢であるのか問われると思う。

3.NH鍵盤の品質 その2 打鍵音

最初に納品されたものは、2ヶ月程の間で、所々、ちょっとカチャカチャと鳴りが大きくなったキーが出てきた。そして交換でやってきた個体は、初めから多くのキーがガチャガチャと、以前の個体にまして良く鳴るものであった。

ガチャガチャ鳴るキーと鳴らないキーがある。つまり個体差がとても激しい。
元々軽く響きやすいプラ筐体、肉厚の薄く軽い樹脂鍵盤、そしてハンマーアクション式、と言う事もあるのだろうが、以前使ってたSG1Dと比べると、特に指を離して鍵盤が戻る時の音が大きくガチガチと響く。

演奏が滅茶苦茶なので誰かに funny video などと書かれてしまったが、たしかに見直すと酷い.. 恥を承知で(笑)ビデオを撮ってみたので見ていただきたい。Q3HDで撮ったもので、後半のモニターからのピアノ音は住環境の関係で大きく出来ずノイズが目立つ感じではあるが、雰囲気は解ると思う。これは決して音を五月蝿く出してやろうと弾いているわけではない事を予め申し添えておく。普通ににぴょんぴょん弾いてるだけである。


私個人は住環境の関係もあって通常ヘッドフォンを使用するのだが、、常にモニターから音を出して弾きたい人、特に個人ユーザー、家庭で音を出して楽しみたい人は問題になるのではないか。

ノイズ音の出るキー、出ないキーの差、そして出るキーが少ない個体、多い個体、要するに品質のばらつきが大きいという左証ではないかと思う。

今回上述の発音問題の情報がなにかないか探してみて見つけたのだが、海外のフォーラムでもこの"ガチャガチャ”は問題視されている様で、ミュージシャンとして受け入れがたいという意見も書かれていた。私はミュージシャンでもピアニストでも何でもないただのお遊びであるが、こういうガチャガチャは無いに越したことは無いと思う。

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と言う事でダメ出しを書いてみた。

こういう楽器の購買層のトレンドとしては、話題になった時期に買って、使い倒して、飽きたらサッサと売っぱらう、それが主流なのかもしれないし、プロ筋は特にそうなのかもしれない。そういう観点でみるなら多少の不具合は大目に見ることができるかもしれない。

しかし私の場合、元々古い機材のリニューアルとして、諸事情を含め、SG1Dを捨ててまで思い切って購入を決断したものなので、評判のよい新製品と言うこともあり期待が大きかった分、品質面でちょっと残念だったと思わなかったといえば嘘になる。88鍵盤の楽器はやはり購入には勇気がいるし、トラブルが出ると色々大変だという事を身を持って体験してしまった。 KROME88はそれでも一人でなんとか運べる重さであるが、これがKRONOS88だったらちょっと困ったかもしれない。

という事でKORGさんには品質向上ぜひ頑張っていただきたいと思う。
MS20miniどうしようか、買っちゃおうか、性懲りもなく迷いつつ筆を置く..

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結局MS-20 mini は性懲りもなく買っちゃいましたょ..

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2019 09/16 追記

LCDが映らない不具合、設計ミスではという解析が公開されており、それに倣って修理りしてみた・・・という記事を掲載、おまけに購入後7年目のダメだしを追記

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2020 02/04 追記

数年前からベロシティーがおかしなキーが出ていたのであるが放置していたのだが、ダメ元でバラして接点をクリーニングしてみた。



LCDを自分で修理した時に弾き潰す決定をしたので、鍵盤バラシでベロシティー不良が直るかをチャレンジしてみたが、接点部品を交換しないとダメという結果となった・・

クリーニングだけでは、マシになったキーもあったが、悪くなるキーも出てしまった。
一度組み上げたら逆にベロシティーが最弱で普通に押したら音が出ないキーが出てしまった。
音が出ないのは困るので再度バラしてなんとか音は出るようになったが、やはりベロシティーが最大で鳴るキーがちらほら。つまり、これまでと大して変わらないという残念な結果となった。

写真撮る余裕がなかったが、ラバーカップの中の黒い導電ゴムの接点が摩滅している感じ。
この手の接点は消耗品なのだろう。日本のKORGは分解が必要な部分のパーツは一般に卸してくれないので、個人での新品交換はできない。

この鍵盤、アクションにグリースが塗られまくって、長年積もった埃を巻き込んでとても汚くなっていた。そういうのを綺麗にしてグリースも塗り直せば良いのだろうが、グリスもないし、大変なので、見なかったことにして、そのまんま組み直した。

ただ、組み直したら、なぜだかはわからないが、上述のチャカチャカと五月蝿いノイズが、マシになった。

それにしても、ピアノ鍵盤はバラすのが大変、面倒くさい。ネジの数も多く、どこを閉め忘れたのか分からないが、一個余らせてしまった。

やはり、治すなら素直にメーカー修理に出すのが筋なのだろうと思う。メーカーに送るのも、それはそれで、大きく重たいものを梱包しなきゃいけないなど、大変なのだが・・・

安いものではないとはいえ、修理にも結構お金がかかる。ならば思い切って新しいものを、という選択も視野に入る。修理しても、同様の使用頻度であれば、また数年後には同じことが起こるわけだし、購入直後からハズレ感があったが、こういう展開になると、もういいや、という気持ちにもなる。最低10年ぐらいはメンテフリーで使えればと思ったが、ダメだった。この鍵盤はせいぜい4,5年しか持たない・・