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ヤマハのNSX1という、ボーカロイドエンジンとGM音源、リヴァーブなどのサウンドエフェクトエンジンを載せたLSIを応用した商品が学研から発売された。ポケットミク MSX-39というものである。
何時ものように華麗にスルー.. しようと思ったのだが、氏家氏のデモを見たらスルーできずに手に入れてしまった。4980円+消費税。
白いプラ筐体、鍵盤部はスタイロフォンと同様のスタイラス式で演奏する。この部分はカーボンで、鍵盤図形の部分は各鍵盤に対応したクロマチックの音程で発声し、その鍵盤図形の上の連続した余白部分はリボンコントローラーよろしく任意のピッチで発声する。
このカーボンのリボン部に電流を流してスタイラスで電圧を拾っているのだろうと思うがどうなのだろうか。調べてないので仕組みはわからないが、もしかすればアナログシンセのCVやトリガでコントロール出来るかもしれない...
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という事でお約束の開封とテスト動画。開封して単体でちょっと鳴らした後、カオシレーター2と繋いで遊んでみた。 (一身上の都合で現在引越し準備中、ミキサー、エフェクター、その他をパッキングしてしまったのでエフェクトなし、レコーダー ZOOM Q4にラインで直で録画している。 )
鍵盤部分で正確な音程で歌わせると、なんとなくロボットっぽく聞こえ、リボン部で演奏すると、適度に音痴で人っぽい感じがしなくもない。
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さてこのNSX-39は、マイクロUSBの端子が出ており、USB接続するとGM音源としても使える、という事なのだが、Linux からも普通にMIDIデバイスとして認識して、MIDIデータを流して音を出すことが出来る事を確認した...
接続時の認識メッセージはこんな感じ
usb 1-1: New USB device found, idVendor=1b3f, idProduct=8001
usb 1-1: New USB device strings: Mfr=1, Product=1, SerialNumber=1
usb 1-1: Product: NSX-39
usb 1-1: Manufacturer: NSX-39
usb 1-1: SerialNumber: NSX-39
で、例えば aplaymidi みたいなMIDIシーケンサー(プレーヤー)で音が出せる。
aplaymidi -p 20:0 midi_data.mid
基本的に広く使われているGM準拠なので、ネットで公開されている様なmidiファイルなど、 Timidityとフリーのサウンドフォントで鳴らすより音色その他がばっちり合う感じだ。
ただ Ch.1 がボーカルの様なので、そこだけは何らかのアレンジは必要になるとはおもうけれど。
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Rosegardenで昔ネットで拾ったmidiファイルを呼んで鳴らしてみたのがこれ...
このアコースティックピアノも、リヴァーブエフェクトもNSX-39のものである。
GM音源を鳴らしながらボーカルを本体のカーボン鍵盤で弾くことも出来る。
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このMSX-39, 学研が用意した、Google Chromeで動作する、ウエブ上のアプリでプリセットの歌詞を任意に書き換える事ができる。しかし残念ながら Linux用のchrome用midi apiが存在しないのでLinuxでは試せないのが残念 ....
と書いた後に念の為もう一度 Chromeの設定 ( chrome://flags/#enable-web-midi )を確認してみると、入手直後に試した時に設定出来なかった midi api 項目が enable出来るではないか.. もしかしたら 最近のchromeのupdateで可能になったのかもしれない...
という事でちゃんと動いたポケットミクアプリ..
これは結構遊べる...MIDI音源として利用する場合、歌詞はmidiエクスクルーシブで送って発声させるらしいので、そのコードを送るmidiデータを作ってシーケンサーで流せばLinuxからでも任意に歌わせる事は可能であると思われる.. どうやって実現するかはわからないけれど...
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こういうLSIを開発したり、出版社がそれを応用して商品化したりと、こういう事が出来るのはやはり日本だけなのだろうなと思う。少子化、理系離れ、製造業の衰退、など、お先は真っ暗にしか見えない中、こういうモノが生み出せる文化は大切にしないといけない、と感じる...