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Monday, January 30, 2017

Today's Fixing and testing SONY MU-R201 Digital reverb : SONY MU-R201 の修理とテスト


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Abstract : If your SONY MU-R201 having unstable hush and buzz noise you may fix it with re-soldering the bus-bars.
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解説

またしてもジャンク品修理の記録なのだが、今回はSONYのMU-R201というデジタルリヴァーブ。
以下結果的に3台修理した記録としてのメモ、所感です


1986年頃の製品で、つまり30年前のものである。当時の雑誌に広告が出ていたのをなんとなく覚えている、当時としては画期的なデジタルリヴァーブで、今でも使っている人が居る割と評価の高い製品。 別に探していたとか、どうしても欲しかった、というわけでは全然無かったのだが、たまたま1000円ジャンクとして転がって居たのを見つけてしまったので、電源が入るのを確認した上、例によって当たりのくじ運を引くべく買ってみた・・・

SONY MU-R201

持ち帰って埃をはらって、カオシレーターを入力として、軽くチェックしてみると、ちゃんとエフェクトが効く・・・! 

中を開けてみても問題なさそうだし、メモリー保持用の電池も生きていた。 つまり筐体やジャック類のクリーニング以外必要ない。 つまり、当たりを引いた!


銅メッキのビスが使われていたり

 
銅のバスバーや銅箔スチロールコンデンサー、音響用電解コンデンサーなどが使われていたり、 信号処理ICやDACもSONY謹製のカスタム品と、それなりにコストをかけた作りになっている。 基板が片面紙エポというのが残念といえば残念なのだが、なかなかよいものを手に入れた・・

と思ったのだが、いざシステムに組み込んでみると・・・・ 一転して、バズ音とシャーシャー言うヒスノイズ、ブツブツ言うデジタル的なノイズに加え、筐体の振動を拾ってでボコボコと大きな音を立てた・・・ やっぱハズレだったのだ・・

なるほど、1000円という値付けはこういう事だったのか・・・ 

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 という事で、修理することになったわけだが・・

エフェクトは一応かかるが、大きなノイズが出て、叩くとボコボコ言う、つまり配線系で何処か外れてるか接触不良なのだろう、と察したのだが、ググってみると、全く同じ症状を直したというこの記事に行き当たった



これと同じであれば、簡単に治せるはず、ということで、早速開けて調べてみると・・・



電源とGNDの接続にこういう銅のバスバーが何本か走っているのだが、


こいつのハンダ付け箇所をルーペで観察してみると・・・


クラックが出ている!


叩くとボコボコ言ったり、ノイズが出たのは、やはりこれが原因らしい・・・


 という事で、半田を付け直してみた。

このバスバーは、プリント基板の銅箔より遥かに厚く幅も広いので、意図としては電源やGNDのインピーダンスを下げるための配線である。 通常の部品のリード端子より、遥かに熱容量が大きく熱が逃げやすいので、ハンダが乗りにくかった。

一番幅広のバスバーは、温度調節コテ(ちゃんと温度でフィードバックがかかるもの)の最高出力でも出力不足気味だった・・

熱的な特性で製造時点でハンダの乗りが悪かった可能性もあるし、この通常部品より重たいバーという事で、温度変化、運送時の衝撃や振動、筐体のたわみの影響を受けやすく、結果としてこういうクラックが生じるのだろう。

と言う事で、酷いノイズが収まって、ちゃんと使えるものになった。


16bit 26kHzサンプルという仕様だからか、経年なのか、エフェクト出力を最大にすると、若干ヒス音が感じられるし、今時の24bit な製品より音が暗めの気もする。

けれども、リヴァーブタイムを長くとっても、あまりゴロゴロ感が無い、割と自然な感じ。 
と言う事でシステムの仲間入りさせ、全体にかけるリヴァーブとして使ってみることになった・・・

というのが冒頭のビデオという次第。 アンビエントたっぷり、ホワホワな深いリヴァーブは、音楽的にはともかく、鳴らしていると気持ちが良い。

★★

07/06/2017 追記 2台目入手 やはりバスバーの半田クラック

先日、この MU-R201の Ibanez OEM版である SDR-1000という機種のジャンクが2000円で出ていた。ちょっと気になったのでチェックしてみると、電源を入れてもディスプレーが不点灯、スタンバイスイッチのLEDも付かない、と言う感じであったのでパス。

なにせMU-R201は古いし、デジタル系はSONYのカスタムチップが使われていたり、電源のヒューズはトランス内蔵で、つまり飛ばしてしまったらそれでオシマイ、なかなか凝った電源回路構成で薄型でタップが多いこの機種専用のカスタムトランスで、当然交換部品はない。 

という事で、予備とか部品取り用として持っておきたいという煩悩が生じてしまったのだが、流石にLEDが点かないようなものは買いたくない。

しかし、翌週別の店で、MU-R201がエフェクト効きません、という物が、なんと500円で出ていた。

電源を入れてみると・・この個体は、ディスプレーやLEDは点灯するし、プログラムも変わる。音はチェックしなかったが、筐体を叩くと、例によってLEDレベルメーターがポンポンと飛び跳ねる・・これは上記修理の場合と同じ症状なのでバスバーの半田修正で治る可能性が高い・・という事で入手した。 もし治らなくても、500円だし、部品取りとしても文句はない・・

で、早速バスバー接続部の半田修正を行ったのだが


予想通り、エフェクトが効くようになった。メモリー保持のバッテリーもまだ生きてるし、ボリウムのガリも無い個体だった。 上記個体同様、やはりデジタルノイズ的なものはやや大きめだったが、例によって経年なのか機種固有なのかは不明


という事で、この機種、もし電源が入る個体であれば、案外簡単に治る・・かもしれない。 完動品の中古は案外高いけど、1万円出すなら、最近評判のよいZOOMの小型のペダルの方がお勧めとおもうが、五百円、千円のジャンクを拾えれば、自己責任の上でチャレンジしてみる価値はあるかもしれない。

★★★

2017/11/17追記

3台目・・やはり全く同じ

ある日何気なく入ったリサイクルショップが新装とかで、ほとんど無かった楽器のジャンク機材が置かれてるようになっていた。MU-R201も置いて有ったのが、既に2台保有でお腹いっぱいで様子をみていた・・・やはり古い楽器機材はあまり売れないのかその他の商品と共に全然売れる気配がないので、暇つぶしにもなるので、馬鹿だとは思ったが、買ってみた。千円だったし。

持ち帰ってみると、ACプラグが”これは使えないよ”と言わんばかりにわざと捩じられていたのだが・・ 修正して電源を入れてみると、上記2台と全く同じ、入力なしでメーターLEDが点灯しっぱなし、筐体を叩くとメーターに反応がある、蛍光表示管は点灯しプログラムも変わる、という症状・・

早速開けてみたら



やはり


銅のバスバーのはんだ付け部分が 


 多数クラックが出ている

バスバーの半田修正を加えると通常動作するようになった。
この機種は、年式も古いということもあってか、ヒスノイズやデジタルノイズ的なものが若干多め、というのはこの3台目も変わらず。



ともかく、電源が入って、蛍光表示管が点灯して、ボタン操作が出来て、入力を入れなくてもLEDメーターが点灯する、筐体を叩くとLEDメーターが動く、などというという症状であれば、回路は生きており、この電源、グランド系のバスバーのはんだ付け箇所がクラックで接続が怪しくなっているのが原因なので、半田箇所の修正だけで治せる確率がかなり高い、と言うことができると思う。

繰り返すけど、1万円予算があるなら、ZOOMのペダルが良いと思うけど、電源の入るようなものが500円とか、千円で放り投げられていたら、研究用に買ってみるのは悪くないと思う。なにせかつてはプロのスタジオで多用された有名な機材だから、腐っても鯛だとおもう。アマチュアの楽器遊びには、音が出れば今でも十分使えるものと思います。

★★

2019/01/05 追記

おかしなエラー表示が出たのだが・・・ 


はて、SRAM用のバッテリーかもと思ったので開けてみたのだが、バッテリーは古いままだがちゃんと電圧が出ていた・・・ 何度も電源を入れたり切ったりしたのだが治らない・・ とごちゃごちゃといじってたら、なぜか元に戻った・・・ 何かが狂ったのだろうと思うが原因不明・・ジャンク品だし仕方がないけど、お遊びで使うものだから、使えればOKだ・・・


んで、調べてる時に、バッテリーで内容を保持しているSRAMの電源を一度GNDに落として、SRAMの内容を飛ばしてみたらどうなるのか調べてみた。バッテリーを交換したときにどうなるのか、知りたかったからなのだが、 ご覧の通り



Err.9という表示が出て、ボタンのLEDが流れるようにフラッシュする。そのごボタンを押すとリセットされるのか、元に戻る。当然SRAMに記録されていたユーザーデータは消えてしまうのだが、リセットされると、ユーザー領域にはプリセットと同じデーターがロードされる様だ。 特に外からリセットをかける仕組みはなさそうだ。






おしまい