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Thursday, November 05, 2020

今日の CASIO VL-1

memo: 

CASIO VL-1のジャンク品を入手、スピーカーから音が出なかったものを修理してみたというお話・・・

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カシオの VL-TONE VL-1という楽器のジャンク品を入手してみた。電子楽器の歴史のなかでも、このおもちゃの様な楽器は特異な存在であり、プロミュージシャンの使用例があるなど、割と人気がある感じである・・・これでも一応、シンセサイザー・・・と呼んで良い機能、即ちADSRによる音作りと、シーケンサーと内臓リズムによる自動演奏が出来たりする。

ライン直結の生音

で、1000円ジャンクとして売られていたので、微妙だなと思いつつ、暇つぶしに手を出してしまった。

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購入したものは、電池の液漏れで電極が錆びていたが、おそらくマンガン電池の液漏れであったのか、それほど深刻なものではなかった。さほど悪い状態では無さそうであったのだが、電池を入れてみたがスピーカーから音が出ない。

しかし、ミニジャックのライン出力から音が出た。

LCDの偏光フィルターが劣化しているのか、LCD表示が微かにしか見えないが、基本動作は問題無い様子であった。ということで、お約束、とりあえず分解してみた・・・


スピーカーが独立したエンクロージャーに収まっていたり、各部にシールド処理が行われていたり、けっこうお金が掛かっている感じがする・・・ 一応80年台初頭に数万円の価格で売られていたものだけのことはある感じの作り。



この基板は音声と電源のアナログ回路が載っている。

音声用のオペアンプとパワーアンプは三洋製だった。LA6358とLA4140で、 6358は汎用オペアンプ4558の互換品。LA4140は探せば売っているところはあるようだし、トランジスタやFETもC1815とかK30A、CR類もありふれた汎用部品なのでこのアナログ基板の故障なら修理できそうである。

何故か自由に使えるプリントパターンがある・・・

で、音の出ない原因を探ってみたのだが・・・


松下製のスピーカーが断線していた。

しかし、試しに別のものを繋いでも音がでなかった・・・一旦諦めてスピーカーを外して組み立てたのだが、悔しいので、後日再度チャレンジ・・・念の為出力のコンデンサを交換してみると、あっさり音が出るようになった・・・ コンデンサだったのか、最初開けた時になにか勘違いしてたのか不明だが、結果オーライ・・・ 

ということで、代替のスピーカーを入れることにしたのだが、これはSONYの小型テレコのジャンクから外したもので口径が合わない。 とりあえず、ボール紙をドーナッツ状に切り出したものを代替スピーカーに接着して口径を合わせる事にした。バッフル板をボール紙で作ったわけである。


こんな小さな筐体の楽器に、筐体とは別にわざわざエンクロージャーを使うというのは凝った設計だと思う。機能的にも音的にも、チープで本格的楽器とは言い難いのに、実装機構はちゃんと作り込んでる。



この固体はLCDの偏光フィルタが劣化して表示がかなり薄いけれど、偏光フィルムが入手できれば、LCDの上に置けばはっきり見えるようになるはずだ。 
しかし、楽器として使う場合表示はそれほど重要ではないので、このまま置いておくことにする。


スピーカー交換後の音

ということで、ちゃんと音が出るワーキングコンディションのビンテージシンセが手に入ったわけだが、こんなものでも、弄ってると楽しい、妙な愛着が湧いてくる、不思議な製品だと思う。


早速Liveで試してみたり・・・

おしまい