唐突であるが なんとなく Amazon の 電子ブック Kindle DX (黒の新型)を購入したので簡単にレポートしてみる。
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7/15(木)未明に amazon.comで注文。7/18(日) 午後に到着。非常に速いデリバリーにびっくり。UPSで日本国内はヤマトが届けてくれるので安心。ちなみに値段はこんな感じ。現在円高・ドル安なのでお買い得、かも...
1 Kindle DX Wireless Reading... $379.00 1 $379.00
Shipped via UPS International
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Item Subtotal: $379.00
Shipping and handling: $20.98
Import Fees Deposit $20.00
Total: $419.98 (JPY 38,585)
Paid by Visa: $419.98 (JPY 38,585)
簡素なパッケージで届く。
付属品はACアダプタ/USBケーブルと簡単な導入ガイドのみ。
導入といっても特になにもすることはない。まず充電して、電源を入れるだけである...
USBは普通にUSBストレージとしてLinuxからも認識、マウントしてデータの出し入れが出来る。
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Kindleのすごいところは、これ単独でネットにつながる、という事である。何の設定も、契約も要らない、のである。届いて即座に使える、のである。
3Gモデム、つまり携帯電話の3G回線で直接Amazon.comに接続、Kindle storeで電子ブックを購入できる。要するにPCなど介さず、3Gの電波が届くるところならどこからでも、このマシンのみで購入、ダウンロードが出来る。
で、専門書などもあるのだが...高い!
文芸作品などは$10前後らしいのだが、やはり専門書は高い。
とりあえずサンプルデータは無料で引っ張れるので、
どんなものかと、試しにひっぱってみたり..
(↑(シフト) + ALT + G でスクリーンショットが撮れる)
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電子ブックの表示だけでなく、PDFファイルの表示も可能。PDFファイルに日本語フォントが埋め込まれていれば日本語表示もOK。Kindleは公式には日本語対応されておらず、日本語フォントも入っておらず、従って単体で日本語表示はできないのであるが、PDFを作るときにフォント埋め込みにしておけば問題なく表示される。
こんな風に機器のマニュアルなど表示させる用途に結構いいかも...
ちなみに、この写真のPDFファイルのオリジナルにはフォント埋め込みされておらずそのままでは日本語NGであった。 とりあえず簡単にフォント埋め込みさえるには、オリジナルをacroreadで開いて、印刷を"ファイルで出力"..つまりPS形式のファイルに落として、これを ps2pdfで再度PDFに変換してやる。
(adobeのacroreadの日本語版のdebパッケージはDebian Lennyでもインストールして使える)
フォントの埋め込み具合を知るには pdffonts コマンドを使うとよいと思う。
(pdf2ps → ps2pdf とかだと読めるけどあんまりいい感じじゃなかった、とか(フォントセッティングの問題?) なんかフォント埋め込みというより画像化になっちゃってるっぽい(文字セレクトができない)PDFになった.. Linuxのフォント、印刷はちょっと鬼門って感じで実はよくわからない.. )
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Kindleをマンガビューアとして使ってる人もいるらしい..という事で、昔オンラインでPDF形式配布されたはるき悦巳のこのマンガファイルを表示してみた..
元々の画像が小さくデジタル的な粗の目立つファイルなのであるが、それでもまあ結構楽しめる感じで表示できる。
画像サイズが小さいので細かなペンタッチにノイズが乗っているが、
これぐらい見れれば、いいんじゃないかな。
解像度の高い、つまりドット数の多いファイルは結局表示時に縮小などの処理でCPUパワーを喰うみたいで、そういう意味でも、解像度は程々に抑えて軽いファイルにする、というのが一つの使い方ではないかなぁ、という感じもする。
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Kindleの画質は白黒16階調。
なーんだ、と思われるかもしれないけれど、たとえば電源Off時にあらわれる壁紙を見ていただいても分るように、
けっこう表現力はあると思う。
意外に綺麗でしょ?
本のイラストなんかはサイズの関係でちょっと荒いけど、文字ははっきりくっきり。残念ながらコピー紙の様な純白というわけではないけれど、新聞紙よりちょい明るい位の、グレアのない、直射日光下でもはっきり読める、要するに紙とほぼ同じ見え方をする。
コピー用紙との比較
液晶でバックライトで白が眩しかったり、光沢で映り込みが激しい、直射日光下だと見えない、なんて事はない。何故Eインクを使うのかという理由は"見え方が自然だから"なのだろうと思う。
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テキスト読み上げ機能というのがあって、電子ブックの読み上げをおこなえる。もちろん英語のみ、である。ロボットっぽくもあるけれど、けっこう聞ける感じでもある。
↓こんな感じ↓
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おまけ機能として、3G回線でWikipediaにも繋げられる...
その他のサイトも接続は可能である。回線使用料は今のところ取られないらしいけど、将来的にずっとタダなのかどうかはよくわからない。なんらかの課金のシステムに変更になるかもしれない、と言われているが...
残念ながら日本語フォントが無いので、日本のサイトは見られない。フォント入れ替えすると見られるようになるらしい、のだが.. そういう目的で買った分けでもなく、ソフトウェアのハッキングに失敗して燃えないゴミにするのも嫌なので今のところ行うつもりはない... Kindleは ARMベースのLinuxマシンと言われているのでその筋のプロの人はおもちゃにしてるみたいであるが..
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持った感じは、それほど軽くはないなぁという印象。仰向けに寝っ転がって見る分には、まぁぎりぎり許容範囲かな。iPadよりは軽いです。 電車の中で立って、片手でグリップして、という使い方は多分ダメじゃないかな。座って読む分には問題ないと思う。
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電子インクの表示速度は...というと、思った程悪くない。といってもサクサク動く感じでもない。
あとCPUパワーを喰うからだと思うが、みっしり埋め込みフォントのつまった、容量の大きい日本語のマニュアルなんかだとページ送り、表示などに時間がかかる。電子ブックはリアルな紙の本に比べて読書スピードが落ちるというのは、そういう事もあるかもれない。本の様にページをぱらぱらとはめくれないから。
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まだまだ発展途中の新しいデバイスであると思うが、なかなかおもしろい機械だと思う。今後日本語に正式対応され、日本語の書籍などが揃ってくればなぁ、と思う次第である..が、どうなるであろうか。
表示デバイスの特性、および機械の仕様から見ても、Kindleは本を読むという事に特化したデバイスである。 最近人気のiPadとは全く違うデバイスなので、よく見かけるどちらがいいのか、という議論はナンセンスだと思う。 (大体iPadは3Gモデルですら iTunesとPCとケーブルがなければ使い始められない。スタンドアロンが成り立たない妙なデバイスだ..)
まぁ、このKindleのイラストの様に
木陰で読書するのが目的のマシンなのである..
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十数年前、PC World とか定期購読してた事があって、そういう雑誌類が読めればなぁ、と思っていたのだが、Kidle版の新聞雑誌類を国外で配信を受けると写真が出ないとかいう制限があるらしい.. 雑誌類のレヴューの評価の★がどれも低いのはそういう事らしい..
ちょっと期待はずれ..
でもまぁ、洋書を買う敷居が下がるのは確かだと思う..
問題は英語能力で、これは金では買えないから.... ^^;)