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RolandのM-120という1Uの12chのラインミキサーのジャンク品を入手。
またまた悪い癖が出てしまったのだが、一つ税込み千円、しかもこの時は改装とかで全品3割引きセールで700円だったからつい・・KORGのラックチューナーと一緒に買ってしまった。
Roland M-120
いかにもジャンクというスレた感じだが、一応電源も入り、動作もした。
しかし、チェックしてみると、M-120の方は1ch でパンポットが左に寄るが右に寄らないという症状があった。
ということで、いつもの様に治せるかバラしてみることにした。
ノブが沢山あるので外すのに手間がかかる。引き抜くだけだが、そこそこ力が必要なので、これ程多数あると素手でやると手が痛くなる。
ボリウムは全部2連同軸のもので、それぞれ別動作するもの。
この軸の長い、真鍮軸の2連ボリウム、おそらく同じ部品の入手は難しいと思われるので、そういう意味でこの機種は末永く使って行けるものではなく、このボリウムが壊れたらおしまいという機種である。1Uという狭いパネル上に多数のボリウムを並べるデメリットが、汎用品が使えない、代替えのない専用部品の採用、と言うことかもしれない。
基本単純なラインミキサーなので、おそらくボリウム以外壊れる所は無い。
つまり、この機種の急所はボリウムなのだと思う。ひとつ、かなり曲がった軸があったので、目立たないぐらいに修正はしておいた。落としたり、ぶつけたりした時に、ノブが突出してるので、痛みやすいのだろうと思う。
基板は複数に分かれているのだが
状態チェックや部品を取り外す為には、サブパネルに止められているボリウムのナットを全て外して、基板をシャーシから外す必要がある。構造は簡単なのだが、これだけ多数のナットを外す必要があるので手間がかかる。
この連結が緩んで不具合が起きていたと推理し、これを取り外して、外部から力を加えて正常な状態に戻してみる事にした。
以前、ハトメ打ちやポンチ穴あけなどに使う、こういう簡単なプレスを自作していたので
これで試してみた・・・
プレスしたら、該当チャンネルの症状がなくなって正常に動作するようになった。ただし、効果に持続性があるかどうかは、実はよく解らない。これは今後経時変化の有無を見なければ本当の意味で修理成功とは言えない・・
1度これで組み上げて整備完了としたのだが、チェック漏れだったのか、エフェクトリターンのボリウムも効かない事が分かり、同様の処置をした。さらに、組み込んだ後で、SENDも接触が悪く遅れてない事が発覚、結局都合3回分解組み立てをする羽目になった。
センドやリターンのボリウムは見た目は正常だったので、もしかしたらプレスの効果ではなく、半田不良が再取り付けで修正されたという可能性もなくはないので、念の為全てのボリウムの半田箇所にコテを当てることにした。
これでなんとか全機能普通に使える様になったので、システムに加えることにしてみた。
入力感度は-20dBと民生品で、出力はプロレベルまで振れるので、キーボード等に使うにはちょうどよい感じ。AUXのSEND/RETURNが2系統あるのは小型としてはメリットがある。
気になったのは、モニター用のヘッドフォン端子で、十分な音圧、音質は確保されているのだが、ヒスノイズが大きすぎる。ゲインを上げる上げないに関係なく無音時にシャーッと聞える。カセットテープをノイズリダクションなしで聞いてる感じ。あくまで音が来てるか、などの検聴用なのだろうが、どうもこの機種はこういうものらしい。
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その他、バラした時の写真を載せておく・・・
基板のパターンはいかにも手描きで、配線間にダミーのGNDラインを挟むというアナログ基板らしいパターンになっていた。
オペアンプは uPC4570HA というNECのSIPなチップであった。
部品もしっかりしているので、ボリウムさせ死ななければ長持ちする機種なのだと思う。
ローランド製の国産品であるが、基板には松下のMマークがあるので、製造は松下なのかもしれない。元々は大阪の企業なので関係が深いのかもしれない・・・
おしまい