解説
SONYのM-201というマイクロカセットコーダーでLo-Fiな音作りを実験してみた。
例によってジャンク品なのだが、手にした時にずっしりと重く、実にしっかりとした、いかにもかつての高級機だった作りが印象的であった。動かなそうなジャンクなので見つけた日は買わずにスルーしたのだが、先日デンスケを修理した時に入手したゴムベルト詰め合わせもあることだし、暇つぶしに修理でもしてみるか、と言うことで、後日出直して買ってきた。
マイクロカセットは普通のコンパクト・カセットより小さく当然複雑で繊細な作りなのでメカがいかれていても電子回路がいかれていてもお手上げなのだが、幸い機械的にベルトの劣化と、着脱式電池ホルダーのボディー側受け側の金具がひん曲がって通電しないという不具合だけだけで、ベルト詰め合わせから合いそうなものを見繕ってかけ直してみたら動作する様になった。
カウンターのベルトも伸びて緩んでおり、カウンターが動いたり、止まったり、なのだが、例によってとても細いベルトなので手持ちのものが合わないのと、カウンターは無くても支障はないので放置。
困ったのはテープの入手で、通常のカセットテープはマクセルのものが今でも普通に手に入るのだが、マイクロカセットはいつのまにか世の中から消えてしまっているのである。
一般家電量販店やホームセンターなどではもはや置かれていない。
なんとか何件か回ったリサイクルショップで1本だけ手に入れた・・
ということで、早速録音再生してみた。
1977年発売という40年前近い、つまり相当古い機械であり、また今回交換したベルトは当然純正ではないので、本来の性能が出ているとも思えないが、通常のカセッテテープレコーダーよりはワウ・フラッター、ドロップアウトに起因すると思われるレベル変動、消去むらも大きめ。またどういうわけか、姿勢によりピッチが微妙に変わる、という風な感じ。水平にして録音したものを水平にして再生する分には問題はないが、手に持って向きを変えるとピッチが微妙に上がったり下がったりする方向がある。半音の1/4ぐらいだろうか、音楽用にはちょっと気持ちがわるい。
本来の用途はボイスレコーダーなので高音質など望むべくもないのだが、明瞭度はそこそこ高く、音質的には昔のポケットラジオや、とても古い録音のLPや映画の音楽を聞いてる感じ。ピッチ変動は気持ちわるいのだが、水平に置いての録再であれば、不安定なりに安定する・・・
という事でLo-Fiな音作りができるか実験してみたのが上のビデオであった。
元々クリアなキーボードの音が、本機で録再することにより、AGCのかかった録音アンプのダイナミックレンジ制限、ナローレンジ、ノイズ、ワウ・フラッター、ピッチ変動などが加わり、独特のLo-Fiな音質に変化するのが分かると思う。 一種のエフェクターとして使えるのではないか、という実証は出来たと思う。 あまり使う機会もないとはおもうが・・