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Friday, November 24, 2006

今日の Elekit TU-879S


2012年 7月 追記

このTU879は人気があるようで、この記事は本Blogの雑多な記事の中でアクセスが際立って多い、という事で、真空管アンプに興味を持って来られた方に、一言ご提案です。


夏は真空管の使用を自粛しませんか

この記事を書いて6年近くなり、以来ヘッドフォンアンプとして常用してるわけですが、夏季は利用を止めて、そっくり昔買ったミニコンポに切り替えています。




1つは当然夏は暑苦しいからです。

が、もう一つの理由は、2011年3月の大地震と原発事故です。原発稼働の可否は議論のあるところでしょうが、現実に殆どの原発が止まり再稼働も難しい状況。電気料金の値上げ、夏季のピーク電力不足の懸念など電力が厳しい状況となっています。国内産業への打撃も大きい事はご存知の通りです。

そういう状況で、部屋をエアコンで冷やしつつ無駄に熱の出る、効率の非常に悪い真空管アンプで音楽を聞く.. なんて心情的に許されない気がします。

真空管しか無かった時代ならともかく、もはや過去の遺物ですから、電力事情の厳しい夏季ぐらい、普通のソリッドステートに切り替えて涼しく音楽を聞く、ぐらいの配慮はあってよいと思います。
ソリッドステートでもA級じゃダメですよ。熱が出まくりますから。
できるだけ出力の少ないAB級か、できればD級。自作派なら、ICアンプ作ってみるとか。

真空管でなけりゃ本物の音が出ないとか、真空管はいい音だ、とか、そういう幻想を抱くのは各自の自由で、もちろん趣味であり、嗜好品であるので他人が良い悪いを言う筋合いは無い事ですが、電力危機、省エネが叫ばれてる時世でもあるので、暑さの厳しい1,2ヶ月程、真空管、止めて見ませんか。

首相官邸での原発再稼働反対運動は、組織的ではなく、皆それぞれの想いを持って自発的に集まっているということです。坂本龍一氏も参加してましたね... 

本当は販売店なんかも夏季は自粛するべき、代わりにデジタルアンプでも売れば、なんて思ったり..まぁ他人様の商売で大きなおせわなので、そこまでは言いませんが..

以上 長い一言でした ^^;)
でわ..

↓↓↓ 本文はここからです ↓↓↓

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唐突ではあるが、連休のインドアレジャー、と言う事で、コイツを組み立てる事にしたのであった.....


Elekit TU-879S

だいたい、いまさら何が悲しゅうて真空管のシングルアンプやねん、と思うのであるが、ある目的の為に一度試してみたかったのでもある。 とりあえず8W前後出るやつでなるべく安いやつ...自分で部品を探して、というのでは大変なのでこれになったわけだ。


がらくたの山の机を片付けて....

プリント基板 (ガラエポ) 一枚で出来てしまう真空管アンプ。 マニュアル通り1つひとつ部品を付けてゆくと勝手に出来上がるという寸法。



自在バイス、2,3000円で買えるから買っても損はないよ

全部品が付いた所がこれ....


マニュアルに従わなかった所がある。

まず、入力、及びNFBラインの細い二芯シールドはあまりに貧弱...だいたいNFBラインが左右ぴったりくっついてるなんて気持わるい...インピーダンスの低い所だから問題ないとはいえ...
入力ラインのも同じ二芯シールドで左右がぴったり寄り添っているのも嫌なかんじだ。
なので手持ちの細いけれどもちゃんとシールドが”編んである” ( 安物は巻き付けてあるだけ...) 本物のシールド線を使う事にした。入力はオリジナルは2入力を切替えられる仕組みになっているのだが、切替えを使う必要もないのでスイッチを使わない様に直に接続した。



あと入力のポテンショメーター。ボリウムと言う奴ですな。これがあまりに小さくて貧弱、しかもBカーブ。 こんな所でコスト下げてどないすんねん、と言うものであるが、所詮安いキットだから仕方がないのだろう。手持ちのジャンク(中古)のRV24の50Kに変更した。(オリジナルは100K) ただシャフトがオリジナルより太いのでシャーシをリーマーで削って対処した...
( オリジナルよりシャフト取り付け位置が下にずれる形になって...シャフトに出っぱりも目立つ...という罠にはまったが、これ以上弄るの面倒くさいので放置)


もう一つは入力端子。付属のものは一般的なRCAジャックなのだけど、私はこの曖昧なデバイスが嫌いなのだ。で、Neutrik の XLRと 3Pフォンジャックが合体した奴を付けたかった....のだが、このアンプはあんまり余分なモノを付ける空間が残されていない事に加え、ボディーはフロントの飾りパネルを除くとすべてスチールで、なにか取り付けるにも加工が大変なのだ。

なので、楽器の世界では標準のフォンジャックを使う事にした。これならRCAジャック用の穴を使って取り付けられるから簡単だしRCAとちがって脱着が簡単だし、楽器をつないで遊べるし...と言う事なのだが一つ罠があった....

組み上がってみるとハムというかバズがブンブン状態になってしまったのだ。結局ジャックをそのままナットで止めると、取り付け板にGNDが落ちてしまって、GNDループかなにかが出来るのだろうか、ハムを引く原因になったようだ。なのでボディーからGNDに落ちない用に絶縁する目的でプラスチック板を加工して取り付け、ジャックのネジ部分も絶縁チューブを被せて絶縁....これでバズが出なくなってやれやれ..

何度も重たいボディーをひっくりかえし分解したり、正直疲れた。


フォンジャックは、ジャックのスイッチを利用してLのみにプラグを挿している時にはRへも信号を送ってモノラルで左右音が出る様にしておいた。試しにエレキギター繋ぐとクリーンな音で鳴った。(一般的な楽器用ならVRとグリッド抵抗を変更して入力インピーダンスが500Kとか1Mの方が使いよいのだろうけど... ) このアンプをオーバードライブさせるのはナンセンスだから、デジタルエフェクター経由でSPを鳴らしてやるとかがよいのかもね。

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さて、音であるが、やはり、というか、良く秋葉原とかの店頭で鳴ってる、ああいう感じ、真空管の音がする。やはり”色”がのる、というか、あきらかにハーモニクスが強く乗る感じがするね。音が立つ、エッジが立つ感じ、小音量で聞いていても聞きやすいという事があるかな。あと手持ちのSPでは低音が一見、というか一聴すると豊かになる...様で、じつはちょっと切れがなくなっている...この辺はモダンなSPに真空管はやはり分が悪いと言う昔から言われている事そのまま.. 正直何時もつかっているTripathのデジタルアンプの方がクリーンでくっきりしていて見晴らしがよくて好きかな...

しかし真空管って、こりゃもう、”エフェクター” だと思うね。音がいいとか、悪いとかじゃなくって、何かを加えちゃう、と。それで聞きやすかったり、リアルだったり、逆に鼻に付く事もあるけど....
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とはいえ、このアンプはSPを鳴らすために買ったのではないのであった。では何の為のアンプなのか、と言うと、前々からなんとかせにゃ、と思っていたAKGのK1000用のアンプにするのである。

今まで、K1000は自分ででっちあげた、 YDA131 (Yamahaのデジタルアンプチップ)の載ったアンプ基板の出力を山水のST62というトランスでステップアップして鳴らしていた。



ストレートにガンガン鳴る、のだが、ちょっと音がきつい。耳に刺さる鳴り方。 K1000は元々高音がきつく鳴りがちで鳴らし方が難しい、という話があるんだけれど、その悪い所が出てしまう感じなのだ。アンプのLCフィルターを調整すれば多少はよくなる、かもしれないのだが、そういう追求って泥沼になるし、面倒くさいから放置していた。

K1000は真空管アンプでいい感じに鳴る、という話は色々転がっているので、一度試してみたかった、というわけで、今回のTU-879S組み立てになったわけであった。




さて、普通のSP(インピーダンス 4-16 ohmぐらい )を鳴らす様に設計されている真空管アンプに、K1000の様に 一桁違う 高いインピーダンス ( 120 ohm ) を接続するのは良くないのでは...一次側のロードラインがべたっ、と寝て、同じグリッドのスウィングがあった場合に振幅が過大になるはずである....

という懸念があった。で、理屈で言っても、実際に試してみても”問題はなさそう” と言うのが今回得られた結論だ。 少なくともこのアンプはNFBかかってる。 NFBがらみで不安定にならなきゃ、大丈夫なはずだ。NFBかかってなければ、終段のゲインが電力的にはどうかしらんけど、電圧的にはぐいっと上がるのかな。


K1000は定格入力が約 11Vrms、1W @ 120 ohm。 8 ohm 負荷で 15W出るアンプの最大電圧振幅と同じスイングが定格。

TU-879Sは 定格 8.5Wと言う事で、ちょっと不足なんだけど実用上はこれでも五月蝿いぐらい鳴る。五月蝿いぐらいならしても定格未満。出力は1W未満。 その条件では、自然と、一次側は電圧振幅的にも電力的にもそのまま使っても問題ない範囲に収まっている事になる。ただ、 高域でNFBが不安定になる、あるいは特性が暴れる...かもしれないのでいわゆるzobelとか言う補正を入れてやる必要もあるかなぁと思うが、聞くかぎり大丈夫そう....

同じ120 ohmでも定格100mWとか、そういうオーダーの普通のヘッドフォンだと、こんんどは電圧下げる事も考えないといけないから、その場合はアッテネーターが必要だろう。
K1000は 120 ohmかつ 1000mW ととんでもない多飯喰らいだからアンプ直結ができるのだ。

で、K1000を繋いで聞いてみたけど、けっこういける。刺さるきつい音は出ない。低音もほどよい。なんか、自然な感じ。真空管の”臭み”は感じるけれど。なーんだ、もっと早く真空管アンプにしとけばよかった...って感じ。
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と言う事で 寒い季節にあったかい 地球にやさしくない アンプで音楽を聞く事になった今日このごろであった...


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おまけ

TU-879S 寸評

  • シャーシ−構造が独特。基板の組みたてはたやすいんだけど、シャーシ−組みたては重いしちょっと大変。回路を弄って試行錯誤する、故障時の修理などのメインテナンス性はあまり良くない。
  • 信号系の抵抗はぜーんぶ 1/4W それで間に合うとは言え 1/2Wぐらいが組み立てやすいのに。 ← NFB関連の抵抗とかは見た目は小さいけど1/2Wだった 、というか その辺が1/4Wだとやばいからな.... 安物なのか、カラーコードがかすれてたりして見にくい、というか老眼だと見えん ^^;)...えっと、言いたかった事は、抵抗なんか安いんだから、もうひとまわり大きくして組み立てやすくすれば、と。基板でかくなるからだめ?
  • あぁLuxkitは良くできていたなぁ.... (大昔 鳴らなくなった A3500を組み直した事がある...)
  • 球は6L6GC。ロシア製でブランドはなぜかエレハモ、ギター弾きにおなじみのブランドじゃないか。6L6GCとか6CA7/EL34とか、昔家にがらくたがあったよなぁ...最近楽器屋で楽器メーカーブランドの真空管とか出てるから、昔よりは買いやすくなって来たのかな。ただしみーんなロシア/中国/東欧製だ..
  • 試運転としてCD鳴らしたり、PCに繋いでamaroKでBGM代りに小音量で鳴らしてみてるんだけど...けっこうハマるよなこの癖、というか音味...



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おまけ2


そう、2つ上の写真、出力管が蛍光で光ってる写真と瓜二つな事に気がついた.. 
まさかこんな場末の、超過疎のゴミサイトとしか言い用のない私のBlogから写真を引っ張る人などいないと思ったのだが.. あまりにそっくりなので、そのサイトの写真と私のオリジナル写真を画像処理して比較してみたところ..



クリックで拡大

やはり上に載せた私の写真をトリミングしただけのものであった。
他の組立工程の写真も、同様にどこからか引っ張ってきたもので自分のモノではない様子..

あはは...


で、別に勝手に使ってもらっても一向にかまわないし、腹も立たないのだが、ただ一つ解せないのが、写真の説明に


いかにも自分で撮影したかの様に書いてあること。

ブログとかウエブサイトなんてのは、自分がやったこと、考えたことを記せるから価値があるわけで、自分がしてないことをしました、って捏造しちゃったら、せっかく時間をかけて書いたこの方自身の記事が台なしになるのではないか。

サイトに載せる写真なのでいくらでもコピーできるし、流用も出来る。そういうモノなので、コピペそれ自体は、まぁ構わないと思う。そういうのは寛容であるべき、と個人的には思ってる。金儲けで撮った写真でもないし、たいした価値が有るわけでもないので、それで人を騙したりするのでなければ、好きに使っておくれ、と思う。

でね、その場合でも、ちゃんと他所からの写真ですが、とか、真実を書いときゃいいのだと思う。ちゃんと他所の人が撮った写真です、って書けば、良い悪いの問題は置いておいても、それは嘘ではないから。

でもさぁ.. いかにも自分が撮ったって風な書き方しちゃったら、それは嘘になるよね..

問題のサイトは、見た所アフェリエイト貼りまくりのゴミサイトでもなく、純粋に趣味の事を書いてるサイトなのだが、そういう個人が趣味でやってるサイトやらBlogで、なにゆえそんなつまらない嘘をつく必要があるのか、そこが理解できない..

まぁいろんな人がいるものだ..