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Sunday, March 04, 2007

今日の SoundBlaster SBDMULX 変造のナゾ その3

Mic in 増設

さて、SBDMULX には Mic入力は無い。無いのだがPCB上にはアンプやジャック用のパターンが存在している。Linux上で のSBDMULXのミキサーには Micが現れ、実際に操作も出来る。




試しに動作させながら codecのマイク入力pin回りをつついてみるとノイズが出るし、ミキサー上のゲインスイッチを入れてみるとノイズのレベルが上がる。つまり上位機種で実装されているMic入力がSBDMULXでは未実装なだけで、実は生きているのである。

と言う事でMic入力を追加する事にした。これも 1/4"フォンプラグにしてみた...のだが、PC用のマイク入力も出来た方がよかろうか、と言う事でジャンク基板から取ったミニプラグ用端子をパラに実装してマイク用バイアスも接続してみた。Biasは2Kぐらいの抵抗を介して、その電源は SBDMULXのアンプ用3.3Vから拾って来た。




パソコン用のマイクは出力にDCが出る、ので必ずVRの前でCカップリングしなければならない... 始めはCなしでVRに繋いで...つまり マイク-> VR -> Cカップリング -> codec という接続にしたのだがVR弄るたびにDCが現れて.... と言う事で気がついたのだった。 なので マイク -> Cカップリング -> VR -> Cカップリング -> codec と言う接続になった。

結局パソコン用マイクはこれだけでは全然ゲイン不足で良い音は取れない...

... のだが腑に落ちない... ので しばらく考えてたのだが....

....だいたいなんでDCが出るんだろう、というところから推理してみると...このバイアス抵抗ってのは単なるMic電源供給 + 電流制限抵抗... ではないのではないか..... ここからGNDに落ちてるCはEMI対策だ、と言うことは分かったつもりだったのだが.... ここはMicの電源だから、ここが揺れるとMicにノイズが乗るだろうからと、uF単位の大きいのを入れてたのだが、それが間違いなのかも...

... パソコンMicのケーブルのBIASとOUT間を測ってみると殆んど導通状態...ああ... これはやはり、この抵抗は電流制限というより、Mic内部のFETアンプ の負荷抵抗になってるのではないか? だからOUTにDCが乗るのか...端子間導通って事はBIASとOUTは両方共中ではアンプのFETのドレインに繋がってるのかも...だったら先のCをuF単位に大きくしちゃうとせっかく負荷に現れた信号がGNDに落ちちゃうから.... だめじゃん....

と言う事で、バイアス抵抗からGNDに落ちてるCをpF単位のちいさいのに交換してやると... ビンゴ!! ...ちゃんと十分なゲインが取れるぢゃないか!

ジャックに電源が繋がってるMicなので、電源以外の回路はMicの中で閉じているはず、と思い込んだのが敗因で、おそらくパソコン用のMicは、生のエレクトレットマイクカプセルが入っているだけで、バイアス抵抗をもってして回路として成立するわけか....

一方ちゃんとした単体マイク...同じエレクトレット型でも電池内蔵でちゃんとマイク型してXLR出力でケーブル末端でフォンプラグになってるやつ...というか普通のマイク



...では、初めからなんの問題なく十分実用的なレベルで録音出来た。

またこのMic端子の入力定格はLineと同じなので、モノラルのライン入力としても十分使える。と言うことでMic端子増設は一応成功したのであった。

( 余談:光入力端子も未実装なのだが...と言う事でたまたま持っていたジャンク基板から外した光入力端子 ( TOSLINK ) を基板に実装してみたが....残念ながら、動作しなかった。どこかの空きランドに抵抗入れなきゃ行けないとかあるのか、使用したTOSLINKの規格が合わないのか、コントローラーで殺してるのか...よくわからないが... ちなみに Mic入力と光入力が追加になっている上位機種は プラス4000円程の値段... 部品原価を考えてみると ボロ儲け価格だと思う...逆に SBDMULXは安いとも言えるの...か? )

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さて本改造の主な目的は入出力を1/4"フォンプラグにする、事なのだが、入力用端子にはこいつを使ってみた。



Neutrik NCJ6FI-S

こいつはXLRとフォンプラグの二つが合体しているモノなのだが、この存在を初めて知った時には”ウッソぉ〜!" と思ったモノだ。 だって普通に考えるとXLRの三つのピンの穴とと1/4'フォンプラグの穴、これが合体出来る訳がないじゃないか...と思ったのだが実物を見てびっくり、これは素晴しい。 さらにコイツはモールドなのだがしっかりできている上に値段が安い! たしか300円台だったと思うけれど、この値段でプロ級のクオリティーが得られるんだから使わない手はない... こいつをなぜか6個も持っているのは、大分前に秋葉原のトモカで見掛けて安かったからつい買ってしまったからであった... ヘッドフォンジャックにいいかも、なんて思って。

こいつの接続端子はこんな風になっている。




この端子半田付けもしやすいし、言う事無いです。XLR部は使わなくても使う価値はある気がする。

あえて難を言えば、これはパネル裏から実装する事になるので、穴開けが大変。24mm程の穴を開けるわけだが、手持ちのシャーシパンチは20mmだったから...リーマーで22mmまで広げて...あとはヤスリでゴシゴシと...案の定ジャガイモの輪郭みたいな凸凹な不細工な穴になってしまった...のはちゃんと外形をけがいて丁寧に作業しなかったからなのだが、ケチって30mmまでのリーマーを買わなかったせいでもある。( 30mmのリーマ−って 22mmの倍ぐらいするから...) 普通の XLRだったらパネル前から実装するので穴が凸凹でも隠れるから楽なんだけどね...


こいつを 3mmのタップでネジ切ってシャーシに実装したのだが、モールド品だけれどけっこうガッチリネジ締めができた。 ネジを切らなくてもタッピングネジでいきなり締めてもよさそうだ。


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SBDMULX は ラインアウト、ヘッドフォン 共に TDA1308をアンプとして使っている。こいつはヘッドフォンアンプ、と言う事で低インピーダンスのドライブ能力がある。 なので、じゃぁライントランスぐらい余裕じゃん.... そういえば何の目的もなく秋葉原のガード下のトランス屋で特価で、というか特価だったから買ったきり眠らせて居たライントランスを使ってみようか、パワーアンプはアンバラ入力なので無意味だけどバランス出力でプロっぽくXLRで出してみるか....意味ないけど...と言う事になった。



TPB-1と言うやつである。



こいつは一次 70 ohm 二次 600 ohm ( 150 ohm 二分割 ) という規格品...



TpB-1

で、こいつはおそらくミキサーなどのラインアンプ用のトランスなのだと思う。有名なAPIの2520と言うハイブリッドOPアンプの応用回路に326 Line Amp. というのがあって、そいつに使われてる出力トランス AP2503 というのが一次が75 ohm で似たような仕様 になっている、ので、多分それと同様な回路で調整卓つまり ミキサー組み込み用のもの、なのではないか、と想像する。

で、最初はこれを 額面どおり、 600 ohm 出力で使ってみるか、と思ったのだが、SBDMULXのout 定格は 1Vrms... これでも手持ちのパワーアンプでは相当絞らないといけない...要するにパワーアンプのゲインが実用域で高過ぎる、のだ。 夜に静かに聞く、ぐらいだと殆んどVRを回せない... VRのエラーで片側が小さくなる...なんて具合なのだ。 そんな出力を、 TpB-1でさらに 約 3倍の電圧に昇圧しちゃったら... だめじゃん。

二次側を スプリットの 150 ohm で、つまり 600 ohmの 1/2 の電圧にしてみたらどうか...それでも 約 1.5 Vrms 出るわけだから、やはり高過ぎる....

で結局、一次二次を逆にして... 600 ohm 入力 70 ohm 出力 つまり 大雑把に、約 0.3 Vrmsの出力になる接続で実装する事になった。この方が TDA1308の負荷も軽くなるので S/Nや THD特性に有利だし、パワーアンプで音量調整するにしても使い易いレベルになる。 ちゃんとしたリスニングルームでちゃんとしたスピーカーで...と言う場合ではともかく、PCの出力をニアフィールドで聞く分にはちょうど良い。 つまりトランスをアッテネーターとして使った訳だ。

で、本来のラインアウト端子はそのままストレートに 1/4" ジャックに出して、それとは別に、このライントランスは本来ヘッドフォン用のアンプの出力を利用してXLRでバランス出力させる事にした。 ヘッドフォン端子は欲しかった、のだが音量調整用に適当な値の二連VRの手持ちがなかったから諦め、空いたヘッドフォンアンプをライン用に転用した訳だ。

SBDMULX本来のラインアウトのアンプはヘッドフォン端子に接続があると...その入力側にあるアナログSW (FET?) で入力を殺す仕様になっている。ヘッドフォンアンプはcodecからの信号は直通、つまり実は ヘッドフォンアンプの方がラインアウトよりストレートなのだ。
このアンプ出力をTpB-1の 600 ohmに、 70 ohm 側を XLRで出力して、 出力は一応 10K ohm で終端... これで高域を多少はダンプ出来るだろう... もっと低い値でも良さそうだが...もちろん600 ohmでも楽勝...



まぁこの手のトランスは小信号レベルで使う限りは帯域も十二分に広く音質劣化もなく気楽に使える。 厳密を期するなら入出力インピーダンスの関係を考慮して終端の負荷など決める必要があるわけだが、アマチュア的には昇圧/インピーダンス比と、高域の共振しない様に抵抗でダンプ...要するに大雑把な終端抵抗の決定、ぐらいで、実践的かつ実用的に気楽に使っていい、と思う。 肝心の音は... けっこう良いとおもうよこれ...

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その他は...

基板上でピカピカひかるLEDを外してその端子を利用してパネルに出したLEDパイロットランプを光らせる...と言うアイデア、成功したのだが、LED外す時にランドを剥すというヘマをしちまって、結局片側はLEDの電流制限抵抗の頭から、もう片側はかろうじて残った細いパターン上のレジストを削ってリードをなんとか半田付けして...という危ない実装になってしまった...

元のライン入力はCDプレーヤーなんかを想定して、つまりそれらは普通に 2V rmsぐらい出るから、という事で約 1/2になる様に抵抗でアッテネーションされていた...ので、 microKORGの入力なんかだとちょっと不足になってた... ので、カップリングコンデンサーの所から直に、つまり基板上のアッテネーターを外す形でVRを介してラインインとした...



USBコネクタはこれまたジャンク基板から剥ぎ取ったものでちょっとガタがあるけど仕方ないか、とか、アンプチップのVCC/GND間にコンデンサをpin直で増量してみたりとか、基板上の入出力カップリングコンデンサーに音響用ジャンク品( ジャンク基板から取り外し品) をパラであてがってみたり...とか、意味ないプラスαをついつい..加えてみたり...

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とまぁ、何をしたのか、というメモとしてはこんな所かな。
見た目はブサイクだが、使いやすくはなったかな。やっぱり楽器が直で刺さるってのは使いやすい。VRもPC上のバーチャルではなく、実物のリアルなツマミで入力を直接絞る、ってのもよい。



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と言うことでUSBサウンドカード変造記事、とりあえずおしまい....