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Saturday, August 02, 2008

今日の Steinberger-Klein レストアのナゾ

先日D.I.Boxもどきを作って以来、けっこう毎日ギターに触る様になったりしていた。と言う事で、いつかそのうち、と思っていた Steinberger-Klein (GK4T) の PUまわりのレストアを行う事にした。
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このギターを買ったのは ..多分1991年...その辺である。発売直後に買ったのでシリアルは十番台と大変若いものでもある。 よくもまぁ、はじめて買うギターにこんなのを選んだよなぁ、という、若かりし日の過ちの一つでもある。そして購入直後にケチがついてしまった...

どうしたか、と言うと、購入直後、こいつのVolのポットを買って一週間もしないうちに壊してしまったのだ。なんか安っぽいノブがついてるので、交換出来るか引き抜いてみようとしたが固着してとれない。 ドライバーをテコにしてぐいっとやったら バカーンとノブがシャフトごとぶっ飛んだ。ポットを壊してしまったのだ。反動でボディーにギーぃと傷もつけてしまった... ものすごいショック、自己嫌悪...

と言う悪い想い出があるのだが、この事は、アメリカのクラフトマンシップってのは地に堕ちてるのだなという認識をもたらす事になった。 まずシャフトごと抜けた原因は、ローレットの噛み合いが悪かったかなにかなのだろうが、噛み合ってないものを力まかせに無理矢理押し込んでローレット部が変形、二度と抜けない...と言うバカな組みたて方にあった。抜けたシャフトからノブを無理矢理外してみてそれが判明。酷過ぎる... ついてりゃいいんでしょ、って程度で組んだに違いない。

さらに裏蓋を開けてみると、悲惨なぐらい汚い半田付け... 被覆は焦げてるし、芯線が被覆から飛び出してる所があったり...よくもまぁこんな...という、それはそれは酷い組みたてであった。

これが30万近い値札が付いている製品か...絶句した...

結局輸入代理店のゼンオンさんから修理用のポットを供給して頂き、PUからの配線を自分でやりなおした。品質面では再三リクエストしているがなかなか改善されず申し訳ない、 送っていただければ修理しますよ、とゼンオンさんに言われたのだが、断わって自分で修理した。 今だったら絶対修理してもらってた、と思う。ではなぜ自分で修理したのか、よくは覚えていないが、自分で壊してしまったモノを自分で直したかった、あまりにバカな壊し方をして恥ずかしかった、こんな組みたてを容認する所に修理なんか頼んでも...自分でやってやる...おとしまえは自分でとりたかったのではないか、と思う。何れにしても若き日の(以下略)である。

まぁ当時からフェンダーやギブソンの新しいのは雑だ、ダメだ、フェンダージャパンの方が品質がよい、なんて話もあったから、そのころのアメリカのマスプロギターはこの程度だった、という事でしょう。

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そんなこんなで現在に至る訳なのだが、このKlein、いつのまにかフロントPUの音が出なくなってしまっている。断線なのか、SWが故障なのか、半田付けの不具合か...

で、どうしようか、と思案した結果、ちょっと金はかかるが、PUを新品に総とっかえして組み直す事にした。配線やりなおせるし、古いPUはもう一台の Spiritに移植してもいいかな、という算段である。

PUはオリジナルと同じ EMGの SA-SA-85とした。正規輸入の定価は人をバカにしてるような値段なので音屋さんから買った。PUに特にこだわりはない、音が出ればなんでもよい、というのはギタリストとしては最低な考え方なのだろうが、私はギタリストではないし ^^;)、 それにノイズレベルが低く低インピーダンスでライン直にだせるアクティブって、とっても使い易い。ミキサーなんかに突っ込んで音を出す"お遊び"にもってこいである。 電子技術者としてアクティブPUというのは大変共感出来る方式で、ハイインピーPU使ってケーブルで音が変わるとかヘビみたいな太いケーブル自作して...ノイズも音楽の一部だなんて開きなおる、なんてのはちょっと間抜けにもみえる。もっともそれで好みの音が得られるなら理屈なんかどうでも良いわけで、これも大きなお世話という事にもなる。

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と言う事で、レストアというかPU交換と配線のやりなおしを行ってみた.。


Vol付近の傷は遠いあの日のおもひで...

ピックガードを外してみると、フロントにはハムバッカー用のキャビティーが開いていた。H-S-Hにも改造できる、という事だろうが、このキャビティーは削らないと85は入らなかった。(H-S-Hにするにはピックガードの穴開け直しと共にキャビティーの加工も必要という事である。)

なおボディーの加工面を見ると...まぁ御世辞にも綺麗に出来ているとは言いがたい。



SA-SA-85のPUセットには配線済みのAssyが付属していた...のだがこいつは 1V2T ポットが3つ、いわゆるストラトタイプで組まれていた。 オリジナルの超汚い目茶苦茶な半田付けとは対照的に、けっこう綺麗に組まれていてほっとした。 Kleinは 1V1Tなのでポットを一つ外して、トーン回路を組み直す必要がある。 さらにKleinのセレクタースイッチは遠いので切り離して配線の継ぎ足しが必要となる。



配線間違え無い様に紙テープに何のラインか書いて張っておいた

しかしギター屋って、なんでポットの上にハンダ付けたがるのだろうね。下品だよ。ポットなんてガリなどでいずれは交換しなければならない部品じゃない。交換する度に背中の配線外して、また付けるの?
ポットのケースにアースしたけりゃ、金属板敷いて、そこに落とせば...
配線の固定のつもりなら、別にラグだのスタンドオフだの立ててやればいいのに...
まぁギター屋にはギター屋の伝統があるのだろうが、もうちょっと電子部品の使い方をお勉強した方がよいのでは? と、私などは思ってしまう。ま大きなお世話だからこれ以上は置いておく。

ポットの背中に半田付けは以上の様に好みではないのだが、配線済みのAssyをバラすのも配線やポットに余計な熱ストレスを与える事になる...ので、今回はそのまんま使う事にする。



1V1Tに組み直し、コンデンサ(104)はセラミックからフィルムに交換した

なおオリジナルのVOLの配線は、EMG推奨と違ってVOLポットの入出力の配線関係が逆という非常に不思議な回路になっている。 普通 1-3が入力側で出力が2、なのだが、それが2が入力、1-3が出力側になっている。 今回はもちろん普通の方式、EMG推奨と同じ配線にした。

さて、新しいEMGはコネクター着脱式になっている。





これは素晴らしいアイデアだと思う、のだが、セレクターとの配線のやりとりをどうするか...PUだけコネクターになっても、結局セレクターは裏蓋内までリードを出して半田付けという事になってアンバランス。 と言う事でセレクターもコネクター接続を採用する事にした。とは言え、最適なコネクターが...色々考えたあげく見つけて来たモノは、PCのマザーボード給電用の4Pの延長コネクター。もっと小さいものが欲しかった、のだが近所で買えるものとしてはこれぐらいしか見当たらなかった...



コネクター採用のおかげで、ASSYおよびPUの本体組込み時に半田付けが不要になった。すべてボディ外で半田付けを済ませる事ができて、ギター上で鏝を振り回す事も無くスマートに組込みが出来た。

なお、使用する電池は性能的にはアルカリの方がよい、のだが、アルカリは文字どおり電解液が強アルカリ性で、液洩れしたら金属部品を激しく腐食させ悲惨な事になる。 なので普通のマンガンを入れる。マンガンも液洩れはあるが、電解液は弱アルカリなので大きな腐食には至らない。アクティブとは言っても3PU合計でも1mA未満と大変少食なので、アルカリを使う事もないと思う。

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二つのSAはピックガードに吊すと言う事で訳はなかったが、リアの85組込みにはちょっとした試練があった。まず新EMGのコネクターだが、ボディーに開いてるリア(85) 用の配線の穴には通らなかった。


汚く写ってるけど、実際汚い仕上げ
当時のMade in USAってこの程度なの?

さらに、新しい 85は...旧85より微妙に"太って"いて、ボディに開けられたキャビティに入らないという...コンマ何ミリ、の微妙な大きさの違い...逆に言えば、旧85はキャビティーにキチキチに殆んど遊びなしではめられていた、という事なのだろう。 たしかに調整ネジで上下させる時ちょっと固かった、という事を思い出した...

で、結局どちらの問題も、ドレメルで削って対処した。加工面が若干デコボコになったけど、目に見えない所だからよし、とした。 元の加工も御世辞にも綺麗とは言えない雑な仕上げだし。それにしてもいやぁドレメル持っててよかった。ほとんど使ってなかったのだが、今回はとても役にたった。

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と言う事でPUを交換して、配線もやりかえて、弦も張り直して、無事音も出て一段落。やっぱりアクティブPUは音がはっきり出てノイズが少なくて良い音がしますね...

こいつを手に入れてあと数年で20年経つわけで、品質にちょっと難はあったが、今となっては良いモノを手にしたのかな、とも思う。なぜなら、これは、非常に弾き易いのだ。ある意味究極と言って良いと思う。手を添えなくても ひざの上で自立する様に出来ているからだ。他のどんなギターもこの弾き易さにはかなわない、と思う。

正直なところ、フルグラファイトの小さなボディーの奴が本命、だったのだが、あれは非常に高価で当時値引きしても30万は下らなかった。なぜGKにしたか、というと、これはグラファイトネック+Trans-Trem採用機種として最も安かった機種だったのだ...

そういう打算的な選び方だったのだが、それはそれで結果的に良かったかなと思う。ギターをコレクションする趣味はない。 殆んど弾けないに等しいし。でもこういう弾き易いギターが手もとにあって、気の向いた時の音を出してみる、そういう究極の1本として良い選択だったと思う。われながらモノを見る目があるなぁ ^o^)



ただ、このTrans-Tremは...すばらしい発明だと思うし、実際よく出来ている。ただし、もう生産されておらず、壊したら修理が大変。 まず部品探しに苦労するだろうし、大変高価なのだ。中古品でも1000ドル近い。デッドストック品なんかにはものすごい値段が付いている。 そしてこの素晴らしいシステムも、完璧にチューニングするのは手間暇がかかり、結局ピッチも、言う程正確にはなかなか出ない。なんか素晴らしいと思って買ったのだが、結局ック状態でしか使っていない。 ロックの爪自体簡単に壊れそうだし... ゼンオンが売ってた時に予備部品買っておけばよかったな...

もしこいつが壊れたら...R-Tremに換えるのが安上がりで良いかな... ←R-Trem はT-Tremと取り付けの互換性がないらしい...orz

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と言う事で レストア完了...これでまたしばらくは遊べると言うものである。
しかしPU交換、配線やりかえと言う簡単な作業だったとは言え、何ごとも自分の手でやってみないと解らないものですね。過程で色々知る事が出来てよい経験になった...