試してみたもののイマイチな結果となった、Steinberger用ストリングスアダプターの自作であるが、今日はそれをちょいと改良してみた。
前回は弦を締め付けるのにホーロー (6角レンチで締め付ける小さなイモネジ)を用いたのであるが、1.5mm というか細いレンチを用いるため、トルクがかけにくい、調整しにくい、という事があった。またこのネジの先が穴深くまで届く様にと、若干先を削っていた。そのためもあるのだろうが、レンチできつく締め付けたらレンチが捻れてしまったし、巻弦はすりきれてホールドできなくなってしまった...
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それでも単線の3本はなんとかテンションを保ち続け、今日に至るまで問題なく使用できているという事実... ということで再チャレンジ...
今回はホーローではなく、普通のボルトを用いることにした。これには2.5mmのレンチを使うのだけれど、格段に締め付けが楽だし、トルクのコントロールもしやすい。
そしてそのボルトの先を、グラインダーで円周部の凹凸がなくなるまで平たく、まぁやや丸みがあるかも、という程度に削ってみた。買ったままのボルトは、切断面円周部が尖っているので、弦を締め付ける時にすりきれやすいのではないか、という懸念があるからである。 弦にあたるところは、なるべく局部的に圧力が集中しない様にしておいた方がよいと思ったからである。
前回はセミアコに張っていたお古の使いまわしの弦をもちいたのだが、今日は 贅沢だが、D'Addario のフラットワウンド (Chromes JAZZ LIGHT 011-050 ) でチャレンジ。
失敗したら大損だけど、なんか成功しそうな気がしたので... というか、本当に使いたい弦、こういう現在ダブルボールエンドが存在しないタイプやゲージの弦を張りたいが為のアダプタなのである。( 並の弦を張りたいなら、アダプターなんか使わないのが一番だからだ...)
と言う事で張ってみた...
ボルト径 > シャフト穴、なので、そのままではボルトは奥まで入って行かない。事前にタップでネジを切る要領で、ボルトを少しずつ、奥まで入る様にしておくのがミソ...
こうやってバイスで固定してボルトを奥まで締め付けて行く
材料
- Power's 輪ゴム用ピニオンプーリーS x 6ヶ
- 3mm 6角穴つきボルト x 6ヶ
- 鍔の部分を削り落とす
- ネジ穴を深くする
- ボルトの先を平らにする
チューニングして、オクターブ合わせて...しばらく弾いてみたけど...
今度は大丈夫そう..!
最初にこれを見つけて ピーンと来た...けど、考え方の筋はそれほど悪くないと思う...
メイさん一家は貧乏だったのでギターが買えませんでした...でも何でも作ってしまう天才肌のオヤジとスクラップをかき集め部品を作り出して世界に一台の素晴らしいギターを作り上げました...というMake:の記事。 他人が作ったモノを金で売り買いして、それを持っているという事だけが自慢だ、なんてのは金銭的にはリッチでも精神的にはとても貧しいじゃないか...へたくそでも不細工でも、自分で作ったモノは金では買えない価値がある...失敗したっていいじゃないか...
と、この程度の工作で説教垂れるつもりは全くないけど、オークションではアホかという位高騰しているストリングスアダプター、お遊びで作れない事はない、と思う...
( もちろん信頼性、耐久性など担保できないので、ステージ上がるような人は使っちゃだめだとおもう。これは、家の中で遊んでいるだけ、という個人的な用途の為のプロジェクトなのだ )
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まぁともかく、しばらくこいつを使ってみて、なにかあったら再度報告したいと思う...
実証試験、という事で、
本家Steinberge-Kleinも張り替えてしまった...
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Kleinの方はグラファイトネックで、もともと弦の音がストレートに出てパキパキなのだが、フラットワウンドを張ると、弦特有の癖のある音が強く前に出てくる...Tone絞らないとJazzyには鳴らない
まぁロクに弾けないから音が出れば何だっていいんだけど、太い弦の方が鳴りがよいのはたしかだ...
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追補(1)
1週間使ってみたけど、2台とも全く問題ない。少なくともブリッジをロックしたまま、トレモロ使わない、という条件ではそこそこの信頼性はありそう....
今後 純正品 or 互換品 がまっとうな値段で手に入る...様になるかどうかは解らないが、当分こいつで凌ぐ事にする...
追補(2)
一月経ったが、ちゃんとテンションを維持している。Kleinの方はさすがにグラファイトネックだけあって、普通に使っている分には温湿度の変化によるチューニングが狂いが微小。毎回微調整程度で済む。こんないい加減かつチープなアダプタでもその傾向は変わらず...全然問題ない......