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ダメ出し編に書いた通り、KORG KROMEには、ちょっと気になる不具合があったりした。 本体交換にまで至ったのであった。その後は平穏無事だったか、というと、やはり稀に"あれ?"という事が続いていた。弾いたのに音が出ない、という症状である。
ハンマーアクション式鍵盤の特性で振動などで二度打ち、チャタリングが起きやすいのかもしれない、最初の修理の時も二度打ちという事が原因と言われたからなのだが、個人的には、なんらかのタイミングで、キースキャンやMIDIがらみの処理、あるいは音源の発音処理が落ちる事があるのではないか、という気がしてならなかった。発音数制御のバグでタイミングによって発音するはずの音が発音数オーバー処理されて切れてしまうとか..
そして、この7月に1.0.2というファームが出たので入れ替えてみたのだが、この時は特に変化は無かったようだ。この音抜け、常に症状が出るわけではないが、あれ?という事がたまに起こっていた。したがって、これはもう、この楽器の語られざる特性であり、つまりこのまま治らない、諦めるしか無いのかも、と思ったぐらいである。
また、最近MS-20 miniや Volca を購入して、それらをMIDIで繋いでKROMEの鍵盤から演奏したりする事もあるのだが、MIDIの遅延が酷い気がした。なんでこんなに遅れるのだろう、というぐらいで、これはKROMEのテンポ設定によって遅延が変化するという事に気がついた。テンポ設定が低いと遅延がとても酷くなるのである。お遊び演奏でもNGなぐらいダメ。 個人の楽しみとして鳴らして遊んでるだけなので、どうでも良いと言えばそれまでなのだが、とても残念な"仕様"だと思っていた... これは余りに酷いので近いうちに質問投げてみようか、と思っていた..
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という事で、やはり自分の身銭を切って購入して、ある程度の期間使ってみないと 本当の評価はできないものだなぁ.. この買い物はハズレだったのかなぁ..
などと思いながら、それでも日々お遊びの道具として使ってきた。これしか無いので、これを使わざるをえないから、である。
しかし、最近1.0.3というファームがアップデートされたので、早速updateしてみたのだが
http://www.korg.co.jp/Support/Download/Update/KROME/index.html
今回のバージョンのリリースノートを引用してみると
KROME 61/73/88と言う事で、なんとNote処理やMIDI遅延に関する修正が入っている...!!
System Version 1.0.3 August, 6, 2013
Version 1.0.2からの主な動作改善、不具合修正内容
General
[動作改善]: XLバンクのピアノPCMを使用したプログラムでの、ハーフ・ダンパー演奏
時やダンパーを踏み直した時の動作改善。
[バグ修正]: 鍵盤やシーケンサー、MIDI受信等による演奏で、ごく稀に発音Noteの処理に
取りこぼしが出る不具合を修正。
[バグ修正]: プログラム・モードのOSC Delayパラメータ、コンビネーション、シーケン
サー・モードのTimbre/Track Delayパラメータで、ノート・オンからのオシレーターの
発音を遅らせた時に、稀に発音処理が不正なまま実行される不具合を修正。
MIDI
[バグ修正]: 鍵盤演奏中のノート・オン/オフ等のMIDIメッセージ送信が、稀に遅延する
場合がある不具合を修正。
Programモード
[バグ修正]: Start Offsetが設定可能なマルチ・サンプル選択時に、操作手順によって一
時的に設定できなくなる不具合を修正。
Combinationモード
[バグ修正]: P0: Play - Tone AdjustページでBank/Combination Selectダイアログで、
コンビネーション、バンクを選択すると OK/Canelを押していないのにダイアログが閉じ
てしまう不具合を修正。
Globalモード
[バグ修正]: Power-On Mode: Memorized設定時に、Globalモード P5: Drum Kitペー
ジで起動した時、一時的に[DRUM TRACK]スイッチをオンにできなくなる不具合を修
正。
[バグ修正]: Arpeggio Pattern Editページで、アルペジオ・パターン・データをダンプ
受信すると、動作が不正となる不具合を修正。
私が悩んだ症状そのもの、の様に見える.. という事で今回は期待が持てる..
Note処理の取りこぼしというのは再現が難しく、(本体交換に至った時再現させるのにビデオを回しながら同じ曲を延々と症状が出るまで弾いて..という苦行を強いられた..)、確実に治ったと言い切れないが、update後にピアノ音で結構長く遊んでみても、これまでの所"あれ?”という様な瞬間は訪れていない。
やはり鍵盤の二度打ち云々ではなく、主原因はソフトウェアにあったのかもしれない。
MIDI遅延も改善され、TEMPOがどういう設定でもちゃんと普通に発音する事もを確認した。
ダンパーペダルの改善というのもあるが、on/off式の古いペダル(SG-1D付属品)だから仕方ないかと諦めていたペダルon/off時の唐突な感じ(offの時の不自然なプッツリ感..)も改善されてる?様な気がする。(錯覚かもしれないが..)
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という事で、今回のupdateはかなり嬉しい内容であったのだが、逆に言うと、かなり致命的なバグが発売後1年もの間そのまま残っていたという事にもなる。おそらく売れても1万台出てるかどうか、ぐらいの商品であろう事から、不具合フィードバックも少なく、確認や改善に時間が掛かるのかもしれないが、確実かつ簡単にバグレポート等を収集、フィードバックできる仕組みが必要であろうと思う。